イズナーがデル ポトロを倒して準決勝進出、ナダルは棄権 [ロレックス・パリ・マスターズ]

 フランス・パリで開催されている「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/10月30日~11月5日/賞金総額427万3775ユーロ/室内ハードコート)のシングルス準々決勝で、第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)が第13シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)を6-4 6-7(5) 6-4で下し、ベスト4進出を決めた。昨年準優勝のイズナーは、この勝利のおかげでATPファイナルズの最後の一席を巡るレースにまだとどまり続けている。

準々決勝でイズナー(右)がデル ポトロ(左)を破る

PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: John Isner of the USA plays a backhand against Juan Martin del Potro of Argentina during Day 5 of the Rolex Paris Masters held at the AccorHotels Arena on November 3, 2017 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

「僕は出場権獲得のため、かなりいい仕事をした」とイズナーは言った。「でもいずれにせよ、非常に厳しい競り合いとなるだろう」。

 反対にデル ポトロにとって、この敗戦はロンドン行きの希望を絶ち切るものだった。デル ポトロがロンドンでの一席を得るためには、ここパリで優勝する必要があったのだ。

「もうへとへとだ。でも僕は、できるすべての努力をつぎ込んだ。自分を責めるべきところは何もない」とデル ポトロは言った。「今日僕は、走り切れる足もエネルギーもない状態で、3セットをプレーした。今、家に帰って休暇を楽しむためのときがきたよ」。

先週のスイス室内で準優勝、今週のパリ・マスターズでベスト4、デル ポトロの快進撃もここまでとなった
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: Juan Martin Del Potro of Argentina reacts in the men's single quarter final match against John Isner of the United States of America during day five of the Rolex Paris Masters at Palais Omnisports de Bercy on November 3, 2017 in Paris, France. (Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)

 ATPファイナルズ出場権の8番目の席、つまり最後の1席は、イズナーと、現在レースでイズナーより少し先を行く、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)の間で競われている。

 左膝の上にテーピングをしてプレーしていたイズナーは、第3セットでブレークを果たし、2-1とリードした。つかんだ最初のマッチポイントでリターン不可能なサービスを叩き込み、イズナーは、デル ポトロとのここ9対戦で3度目となる勝利をおさめた。

12日からロンドンで始まるATPファイナルズの最後の一席をめぐるレースに残っているイズナー
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: John Isner of the United States of America plays a backhand in the men's single quarter final match against Juan Martin Del Potro of Argentina during day five of the Rolex Paris Masters at Palais Omnisports de Bercy on November 3, 2017 in Paris, France. (Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)

 イズナーは次のラウンドで、予選勝者のフィリップ・クライノビッチ(セルビア)と対戦する。というのも、この日、クライノビッチと対戦するはずだった第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)が、右膝の故障のため棄権を余儀なくされたのだ。彼はロンドンでのATPファイナルズまでに、体調を戻せるよう願っていると言う。

「今週、彼は非常に活力あふれるプレーをしていた」とイズナーは言った。稀なご褒美でエネルギーを補給してきたというイズナーは、「こんな試合のあとには、どんなカロリーもよいものだ。実際、僕はチーズバーガーを食べた。昨日も食べたんだ。ここでは、かなり美味いやつを作ってるんだよ」と言った。

 ナダルは木曜日、パブロ・クエバス(ウルグアイ)との3回戦の試合の際に膝が思わしくない兆候を見せていた。

「僕は治療を受け、ロンドンでプレーできるようにするためベストを尽くすよ」とナダルは言った。「でも今、そのことについて話すことはできない。ここで棄権することだけでも、僕にとって十分つらいことなんだ」。

棄権の発表をするナダル
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: Rafael Nadal of Spain speaks to the media to announce he is pulling out of the tournament with injury during Day 5 of the Rolex Paris Masters held at the AccorHotels Arena on November 3, 2017 in Paris, France. (Photo by Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)

 大会ディレクターのギー・フォルジェ(フランス)は、はっきりした痛みがあるにも関わらず、プレーするために最大の努力をした姿勢についてナダルを称えた。

「我々は皆、ラファがどんな人物かを知っている。彼は、一度何かをすると言ったら、その言葉を尊重する男だ」とフォルジェは言った。「彼は、まるで何か悪いことをした子供のように、僕に『申し訳ない』と10回謝った。だから僕は、いやいや、僕こそ君を気の毒に思う、と言ったんだよ」。

 予選から勝ち上がった世界ランク77位のクライノビッチは、彼にとって初めてのマスターズ準決勝に駒を進めた。彼はまた、2012年のジャージー・ヤノビッチ(ポーランド)以来の準決勝に進んだ予選勝者となった。

「今季の僕の目標は、来年に向けてのポイントを得るため、チャレンジャーでプレーすることだった」とクライノビッチは言った。「僕は2、3年前に、すでにトップ100だった。でもその後、不運にも故障してしまったんだ」。

 クライノビッチは、自分の上達は、治療を受ける必要があった手首の中の余分な骨のせいで遅れることになった、と言った。

 一方、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場しているジュリアン・ベネトー(フランス)は、この日、第3シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を7-6 (5) 7-5で下し、予想外の疾走を継続させた。

 べネト―はチリッチに対するここ3試合で敗れていたが、双方が2度サービスゲームを落とした第1セットを、タイブレークの競り合いの末に制した。

 彼は、チリッチのサービスゲームで手にした最初のマッチポイントを、フォアハンドのウィナーでものにし、それからラケットを落とし、投げキスを送り、涙で目をうるませて感情的になった。

「僕は、コーチでもある兄と、妻を見ていたんだ。妻を誇らしい気持ちにさせることできて、本当にうれしいよ」と彼は言った。「言葉では表現し難い喜びだ」。

 引退前の彼の最後のパリ・マスターズ。35歳のべネト―は、母国の大会でキャリア初タイトルを狙っている。

 べネト―は次の準決勝で、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)を6-7(3) 6-2 6-3で破ったジャック・ソック(アメリカ)と対戦する

 第3セットの第7ゲームでコードバイオレーションを受けながらも抵抗し続けたベルダスコは、4つのマッチポイントをセーブした。しかしソックはきっちりとサービスをキープし、8月のワシントン以来となるベスト4進出を決めた。ソックは今季、オークランドとデルレイビーチで優勝し、2つのタイトルを獲得している。(C)AP(テニスマガジン)

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