フェデラーがズベレフに勝ち、準決勝一番乗り [ATPファイナルズ]

 世界トップ8が争う「Nitto ATPファイナルズ」(11月12〜19日/イギリス・ロンドン/賞金総額800万ドル/室内ハードコート)のラウンドロビン(2グループに分かれて総当たり戦)。

 右膝の故障でラファエル・ナダル(スペイン)が欠場を発表した翌日、ロジャー・フェデラー(スイス)は彼の滞在を週末まで延長することで、O2アリーナを元気づけた。
 
 今年のウインブルドンでグランドスラム19度優勝を記録したフェデラーは、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を7-6(6) 5-7 6-1で倒すことで、土曜日の準決勝での一席を確実にした。
 
 ナダルが棄権し、やはり故障のためノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディー・マレー(イギリス)も不在の中、いまのフェデラーは今大会に残っている唯一の〈ビッグ4〉のメンバーとして浮上した。
 
「これらの(よい)試合、これらの(よい)ポイントを何度にも渡り引き出し、精神的にタフであり続ける僕の能力を見せられる、というのはいいことだよ」と、フェデラーは言った。「第3セットで、僕はよりいいプレーをし始めた。最初から最後まで、厳しい試合だった」。
 
 マリン・チリッチ(クロアチア)に対する初戦に勝っていたズベレフは、フェデラーに続いてベスト4入りできるか否かを決めるため、木曜日にジャック・ソック(アメリカ)と対戦する。ソックはこれに先立つ試合でチリッチを破っており、ソックとズベレフが1勝1敗に、フェデラーの勝利で2敗のチリッチの敗退が決まった。
 
「非常にポジティブな試合だった」とズベレフは言った。「言うまでもなく、彼が勝った。彼は準決勝進出を決めた。でも僕にとってさえ、ポジティブだった。僕は今日、前の試合よりもいいプレーをした。次にソックと対戦し、準決勝進出を果たす大きなチャンスをいまだ手にしている。もし、このレベルでのプレーを続けることができれば、皆さんは週末にも僕を目にしていることになるんじゃないかと思う」。
 
 サービスに支配された第1セットがタイブレークに突入したあと、フェデラーは一時0-4の劣勢に立たされたが挽回し、セットポイントをセーブして、反対にリードを奪った。
 
 やや集中力を乱したズベレフが2本のダブルフォールトをおかし、第2セットの最初のゲームでブレークを献上する中、フェデラーは試合の舵をよりしっかりと握ったかに見えていた。
 
 しかし20歳のズベレフは落ち着きを取り戻し、フェデラーのファーストサービスの確率が落ちたことにつけ込んで、ブレークバックを果たす。彼は2度目のブレークにも成功し、勝負を第3セットに持ち込んだ。
 
 もっともそこからはフェデラーの独壇場だった。対戦相手よりも16歳年上の彼は、重要な試合での経験の厚さを示しつつ、第3ゲームでブレークに成功。さらに2度のブレークを果たし、勝利を動かぬものにした。
 
 一方、ソックのチリッチに対する5-7 6-2 7-6(4)の勝利は、ここ10年で初となるアメリカ人選手の白星だった。
 
 パリのマスターズで優勝することにより、今大会の出場権を勝ち獲った第8シードのソックは、フェデラーに対して初戦を落としたが、いま成績は1勝1敗だ。
 
 ソックが、ATPファイナルズで勝利をおさめた2007年のアンディ・ロディック以来のアメリカ人となったことについて、他の者たちは驚いているかもしれないが、ソック本人はそうではなかった。
 
「大会で勝てば、ここに来るチャンスがあると思って戦ってこなければ、僕は今、ここでプレーし、競い合ってはいないだろうよ」とソックは言った。
 
「僕は、ただ大会のドローに入ることで満足したり、3回戦や準々決勝に進むことで喜んでいるようなタイプではない。僕は試合に勝つためにここにいる。僕が正しいことをし、やるべきテニスをプレーしたなら、僕はどの大会でも週末にプレーするチャンスをつかむことができるはずだ」。
 
 チリッチは、このシーズン末の大会で、過去にプレーした8試合のうち1試合にしか勝っていない。
 
「間違いなく、素晴らしい成績ではないが、僕は昨年もいいプレーをしたと感じていた」とチリッチは言った。「僕が(昨年)プレーした3試合は、勝つチャンスがかなりあったんだ。今回の2試合もそうだ。ただ、これらの(競った)試合をものにするのに、あとほんの数ポイントが足りなかった。その点で少し不運だったんだよ」。(C)AP(テニスマガジン)

シングルス ラウンドロビン

グループ・ピート・サンプラス

ドミニク・ティーム(オーストリア)[4]、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)[6]、ダビド・ゴファン(ベルギー)[7] 、パブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)
※カレーニョ ブスタは、ラファエル・ナダル(スペイン)[1]が右膝の故障により欠場したため代替出場

○ゴファン 7-6(5) 6-7(4) 6-4 ●ナダル
○ディミトロフ 6-3 5-7 7-5 ●ティーム

グループ・ボリス・ベッカー

ロジャー・フェデラー(スイス)[2]、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)[3]、マリン・チリッチ(クロアチア)[5]、ジャック・ソック(アメリカ)[8]

○フェデラー 6-4 7-6(4) ●ソック
○フェデラー 7-6(6) 5-7 6-1 ●ズベレフ
○ズベレフ 6-4 3-6 6-4 ●チリッチ
○ソック 5-7 6-2 7-6(4) ●チリッチ

※トップ写真は試合後のフェデラー(左)とズベレフ(右)
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 14: Alexander Zverev of Germany congratulates Roger Federer of Switzerland on victory following their singles match on day three of the Nitto ATP World Tour Finals at O2 Arena on November 14, 2017 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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