世界トップ8が競う「Nitto ATPファイナルズ」(11月12〜19日/イギリス・ロンドン/賞金総額800万ドル/室内ハードコート)の大会最終日は単複決勝が行われ、シングルス決勝は第6シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が5度目のマッチポイントで第7シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を7-5 4-6 6-3で破り、初優勝を飾った。

 ディミトロフは自らの才能で勝ち進み、最後に頂点に立ってキャリア最高のタイトルをつかむためには、才能に加えてもう一押しの努力が実を結んだようだ。

「年間を通して強靭なメンタルを維持できたと思う。フィジカル面でも、これだけきついトレーニングに耐えられるだけのよいコンディションなら、どんな相手に対しても自分が優位に戦える。これらが今年上昇できた要因だと思う」とディミトロフは言った。

 誰もが期待したロジャー・フェデラー(スイス)対ラファエル・ナダル(スペイン)の決勝にはならなかったが、26歳同士が見せた決勝は、2008年に大会フォーマットが3セットになってから最長のもので、ファンを大いに満足させる戦いだった。

 ディミトロフは2時間30分15秒で勝利を手にし、2011年のフェデラー対ジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)の決勝時間を11分だけ上回った。記録はそれだけではない。O2アリーナで行われた5試合に全勝優勝を果たしたのは、このエリート・トーナメントでは1998年にドイツ・ハノーバーでアレックス・コレチャ(スペイン)が達成して以来のこととなる。

「今週は安定した強い選手と連続で戦わなければならなかったから、少し疲れていた。ダビドは何か秘策をもって臨んでくると思っていた。僕が自分のペースでプレーできないように、アグレッシブに戦う必要があったから」と、水曜日の対戦(ラウンドロビン)ではゴファンを6-0 6-2と圧倒していたディミトロフは言った。

 ゴファンの“ディミトロフ対策”は開始すぐに効果を表した。立ち上がりから自身のサービスゲームを2度ブレークされながらも、同時に2連続ブレークに成功して、第1セットを自分のペースで進めていった。

 第1セットはウィナーの数ではゴファンが8本も上回ったが、ディミトロフは第8ゲームをブレークして追いつき、第12ゲームもブレークして先取した。

 ディミトロフの自信に満ちたプレーは第2セットも続いた。第6ゲームで先にブレークポイントをつかんだが、ゴファンの強烈なバックハンドクロスでセーブされた。ここで踏ん張ったゴファンは次のゲームをブレークして4-3とし、そのリードを守り抜いた。

画像: 準優勝のゴファン LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 19: David Goffin of Belgium plays a backhand during the singles final against Grigor Dimitrov of Bulgaria during day eight of the 2017 Nitto ATP World Tour Finals at O2 Arena on November 19, 2017 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

準優勝のゴファン
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 19: David Goffin of Belgium plays a backhand during the singles final against Grigor Dimitrov of Bulgaria during day eight of the 2017 Nitto ATP World Tour Finals at O2 Arena on November 19, 2017 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

 今大会、同一大会でフェデラー(準決勝)、ナダル(ラウンドロビン)を連破した6人目の選手となったゴファン。準決勝のフェデラー戦は1セットダウンからの逆転勝利をおさめ、大きな自信を手にしていた。しかし、決勝では最終セットの最初のゲームであった4つのブレークポイントを生かせず、それが勝負を分けるポイントとなった。

「今週の戦いで、精神的により強くなれたと感じている。それをここで証明することができた」。今季をキャリアハイの世界ランク7位で終えたゴファンは胸を張った。

 最終セットでより冷静だったのはディミトロフだ。第6ゲームでブレークして主導権を握った。今季は試合を終わらせるのに苦労することが多く、マッチポイントを握ってから3度敗れている。5-2とリードしたあと、ゴファンのサービスゲームを0-40としたが取りきれなかった。しかし、次のゲームでディミトロフは40-15からもうひとつマッチポイントをセーブされたものの、その次のポイントでゴファンのバックボレーがネットにかかり、決着がついた。

「第3セットで少し疲れが出た。このセットだけファーストサービスがなかなか入らなかった。そしてグリゴールは本当に安定していて、崩れなかった」とゴファンは試合を振り返った。

 ディミトロフは8月のシンシナティで自身初のマスターズ・タイトルを獲得し、このロンドンでの勝利でランキングを自己最高の3位に引き上げた。次のターゲットはもちろん、グランドスラム優勝になる。

「今大会は非常によかったし、世界3位になれたけど、ここで浮かれるわけにはいかない。自分の大きな目標のひとつはグランドスラムでの優勝だ。ずっと夢見てきたものなんだ」とディミトロフは来季を見据えている。(C)AP(テニスマガジン)

※トップ写真は優勝トロフィーを掲げるディミトロフ
LONDON, ENGLAND - NOVEMBER 19: Grigor Dimitrov of Bulgaria lifts the trophy as he celebrates victory following the singles final against David Goffin of Belgium during day eight of the 2017 Nitto ATP World Tour Finals at O2 Arena on November 19, 2017 in London, England. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

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