元ウインブルドン・チャンピオンのヤナ・ノボトナが死去
かつて、ウインブルドン決勝で敗れて泣いているところを、ケント公爵夫人キャサリンに慰められ、テニスファンの心をつかんだヤナ・ノボトナ(チェコ)が49歳で亡くなった。
WTAが11月20日に公表した情報によると、ノボトナは長期にわたり癌と闘い続け、19日の日曜日に亡くなったという。故郷のチェコで家族に見守られながら息を引き取ったと伝えられている。
ノボトナは現役時代、唯一獲得したグランドスラムは1998年のウインブルドン。93年、97年は決勝で敗れていただけに、悲願の優勝だった。91年にはオーストラリアン・オープンの決勝でも涙をのんでいる。
特に人々の印象に残っているのが93年決勝でシュテフィ・グラフ(ドイツ)に敗れたときだろう。最終セット4-1リードから5ゲームを連取されて敗れ、大きな失望を味わった。彼女は表彰式でも感情を抑えきれずに涙を流し、ケント公爵夫人キャサリンに肩を抱かれて慰められた。
「ヤナはオン・オフコートどちらでも素晴らしい人物だった。彼女の星はいつもWTAの歴史の中で輝き続けるだろう。彼女の家族に追悼の意を表します」と訃報を聞いたWTAのスティーブ・サイモンCEOはコメントした。
14年間のプロ生活の中で、ノボトナは24個のシングルス・タイトルを獲得し、97年にはキャリアハイのランキング2位を記録した。シングルスでは1回だが、ダブルス、ミックスダブルスでは合計16個のグランドスラム・タイトルを獲得した、ダブルスの名手でもあった。
オリンピックでは3度メダルを獲得しており、88年にフェドカップ優勝。2005年にテニスの殿堂入りを果たした。
99年の引退後も解説者、コーチとしてテニスと関わり続け、2010年にフロリダから故郷であるチェコのブルノに戻っていた。2年前のインタビューで彼女は「私はもうテニス依存症なの。1日でもテニスから離れるのは、もう最悪よ!」と語っていた。(C)AP(テニスマガジン)
※トップ写真は1998年にウインブルドンで優勝したときのノボトナ
4 Jul 1998: Jana Novotna of the Czech Republic poses with the trophy after the 1998 Wimbledon Championships played at Wimbledon, London, England. \ Mandatory Credit: Gary M Prior/Allsport
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