フランスが16年ぶり、10度目の優勝 [デ杯決勝フランス対ベルギー]

 男子テニスの国別対抗戦、デビスカップ・ワールドグループ決勝「フランス対ベルギー」(11月24~26日/フランス・リール/室内ハードコート)の最終日。フランスが3勝2敗でベルギーを倒し、優勝した。

 今季素晴らしいシーズンを送ったダビド・ゴファン(ベルギー)の能力をもってしても、フランスとのチーム力の差を埋めることはできなかった。ゴファンは自身初の団体戦タイトルを目指したが、フランスに2勝3敗で敗れ、イギリスに1勝3敗で敗れた2015年以来の準優勝に終わった。

 ベルギーの国境にほど近いフランス北部のリールで、ゴファンはベルギーからかけつけたファンの熱狂的な応援を受けた。だが、2勝2敗で迎えた最後のシングルスでルカ・プイユ(フランス)に対し、スティーブ・ダルシー(ベルギー)は3-6 1-6 0-6の完敗だった。

 戦前の予想では、ジョーウィルフリード・ツォンガ、プイユ、リシャール・ガスケにダブルスのスペシャリストであるピエール ユーグ・エルベールと実力者を揃えたフランスが優位と言われ、その予想通りにフランスが10度目の優勝を飾った。

 しかし、ベルギーは世界ランク7位のゴファンがツォンガとプイユに対してひとつもセットを落とさずに2連勝し、ホームで戦うフランスにプレッシャーをかけ続けた。

 ベルギーは世界ランク76位のダルシーがシングルス2連敗と実力の違いを見せつけられ、勝負の分かれ目となった2日目のダブルスをフランスが制したことで、両者の明暗が分かれた。

シングルス2勝と孤軍奮闘のゴファン
LILLE, FRANCE - NOVEMBER 26: David Goffin of Belgium in action against Jo-Wilfried Tsonga of France during his match during day 3 of the Davis Cup World Group final between France and Belgium at Stade Pierre Mauroy on November 26, 2017 in Lille, France. (Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)

 ゴファンはフレンチ・オープンで足首を負傷したが、そこから見事なカムバックを見せて自己最高の年間7位でシーズンを終えた。ATPファイナルズ決勝ではグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に敗れたものの、深圳と東京で連続優勝を果たしている。

 好調さを維持してリールに乗り込み、初日にプイユを圧倒して、ツォンガに対しても素晴らしいショットを連発して、ベルギー・ファンを喜ばせた。「自分の最高のテニスができた」とゴファンは胸を張った。

 2015年の決勝でアンディ・マレー(イギリス)に敗れて以来、一度もデビスカップのシングルスで負けていないゴファンは、同大会のシングルス通算成績を21勝3敗とした。チームの敗戦に肩を落としたが、「自分のやるべきことは果たせた」と話した。

「チームが敗れ、みんな落ち込んでいる。僕らはすべてを出し尽くしたと思う。このような終わり方は残念で仕方ないけど、今年はチームとしても素晴らしい戦いを見せた。来年も楽しみだよ」とゴファンは振り返った。

 ベルギーのヨハン・ファンヘルック監督は2勝を挙げたゴファンを称え、「このチームなら、いつかデビスカップを獲れると思う」とチーム力にも大きな手応えをつかんだようだ。

 シングルス2敗のダルシーは「自分が悪い。2度もボロ負けだった。自分のパフォーマンスに愕然としている」と自分を責めた。(C)AP(テニスマガジン)

※トップ写真はデビスカップのトロフィーを掲げるフランスチーム
LILLE, FRANCE - NOVEMBER 26: France team celebrate after winning the Davis Cup Final during day 3 of the Davis Cup World Group final between France and Belgium at Stade Pierre Mauroy on November 26, 2017 in Lille, France. (Photo by Sylvain Lefevre/Getty Images)

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