今年最初のグランドスラム「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・メルボルン/ハードコート)が、1月15日(月)に開幕する。

 ラファエル・ナダル(スペイン)とノバク・ジョコビッチ(セルビア)が故障明けの選手の一角で、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がすでにタイトル防衛に挑まないことを決めたあと、オーストラリアン・オープンに先立ち、故障者と欠場たちが注目の的となっている。

 もっとも、そのことはロジャー・フェデラー(スイス)を煩わせてはいない。フェデラーは、左膝の故障でツアーを離れた6ヵ月を経て、シーズン初のグランドスラム大会の見通しもわからないまま第17シードとして臨んだ12ヵ月後、ディフェンディング・チャンピオンとして戻ってきた。

 彼は、決勝で5セットの戦いの末にナダルを倒し、彼にとって18番目のグランドスラム・タイトル――それは2012年以来のタイトルでもあった――をつかんだ。そして同年夏には、ウインブルドンでも優勝した。

「(昨年の全豪会開始時の)僕は、自分のテニスや勝利がここで戻ってくるとは思っていなかった。熱く乗っているジョコビッチや、マレーや、ナダルなんかに当たってしまい、自分の調子は彼らに勝つに十分なだけよくないだろうから、とね」とフェデラーは回顧した。

「僕はたくさんの素晴らしい5セットマッチを戦い、最後にはラファに対する壮大な試合があった。6、7試合のあと、別のプレーヤーになったように感じ、もはやミスなどできないと感じ始めたんだ。決勝の第5セットは、恐らくこれまでプレーした中で最高のセットだったかもしれない」

 フェデラーはまた、こうも言い添えた。

「何というカムバックだったことだろう。あれは間違いなく、あの年のハイライトだったよ」

 第2シードのフェデラーと第14シードのジョコビッチは、ほとんど立場を入れ替えた。

 今回、フェデラーは、ホップマンカップ(オーストラリア・パース)でスイスの優勝を助けた数日後、トロフィーを手にオーストラリアン・オープンのドロー抽選にゆうゆうと現れた。彼の2017年のカムバックは、ジョコビッチのような選手にとってインスピレーションとなるはずだ。ジョコビッチは、過去に全豪で6度優勝したが、右肘の故障でウインブルドン以来プレーできないでいた。

 2人は同じボトムハーフに位置しており、そこにはそのほか、世界4位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、5位のドミニク・ティーム(オーストリア)、7位のダビド・ゴファン(ベルギー)、9位のスタン・ワウリンカ(スイス)の顔も見える。2014年全豪優勝者のワウリンカもまた、故障から復帰してくるところだ。

 ナダルは、11月のATPファイナルズを途中棄権し、出場を予定していた全豪前のウォームアップ大会をスキップして、大会前の準備を、いくつかのエキシビションマッチとティームとの練習試合に絞っていた。

「もし気分がよくなかったら、ここに来ていないだろうね」と、ナダルは今週のエキシビションでリシャール・ガスケ(フランス)に敗れた、ミスの多い試合のあとに言っていた。「だから、それはいいニュースだ」。

 5度全豪で準優勝しているアンディ・マレー(イギリス)は、ウインブルドン以来彼のプレーを阻んできた右腰の故障を解決するため手術を受けることを決めて、1週間以上前に棄権し、日本の錦織圭(日清食品)もまた出場を取りやめた。

 また、もし2017年オーストラリアン・オープンが、年齢や時代のそれだったとしたら――フェデラー対ナダルのライバル関係の復活や、ウイリアムズ姉妹対決の決勝――2018年版は、肉体的にフィットした者のサバイバル合戦となりつつある。

 昨年、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)を倒して23番目のグランドスラム・タイトルを獲ったとき、すでに妊娠していたセレナは、9月に初子を生んだ。彼女はグランドスラム大会に優勝できると感じるレベルに至るに十分な時間がないとして、出場を回避した。

 2017年、女子の世界ランク1位は7度変動し、5人の別の選手が首位の座につき、うち3人が1位初体験者だった。

 ビーナスは、セレナの魂はここにあり、オーストラリアで自分をサポートしてくれているのだ、とコメントした。ビーナスは今年、このオーストラリアで、ほぼ10年にわたるグランドスラム・タイトルなしの時期に終止符を打ちたいと願っている。シドニーでアンジェリック・ケルバー(ドイツ)に負けたばかりの37歳、ビーナスは、今回第5シードで、先週フェデラーとともにホップマンカップで優勝したベリンダ・ベンチッチ(スイス)という、タフな1回戦の相手を引き当てた。

「私は、最大の期待を自分自身から感じる」

 ビーナスは、年齢や期待が自分の上にのしかかっているという観念を否定し、こう言った。「誰も、自分自身をガッカリさせたくないものだわ」。

 彼女は昨年、WTA賞金ランキングで、ウインブルドン・チャンピオンのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)や、2017年を世界1位で終えたシモナ・ハレプ(ルーマニア)を凌ぎ、トップに立っていた。

 グランドスラム大会に初めて第1シードとして臨むハレプは、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場する17歳のデスタニー・アイアバ(オーストラリア)と初戦で対戦。3回戦で元ウインブルドン優勝者のペトラ・クビトバ(チェコ)、準々決勝ではカロリーナ・プリスコバ(チェコ)とぶつかる可能性もある。

 ケイレンのためにブリスベン国際の初戦を途中棄権したあと、右腿の痛みでシドニー国際準々決勝を前にやはり棄権したムグルッサは、USオープン準優勝者のマディソン・キーズ(アメリカ)、2016年全豪優勝者のケルバー、グランドスラム大会優勝歴5回のマリア・シャラポワ(ロシア)と同じクォーター(ドローの4分の1)に入っている。

 ムグルッサは、女子テニス界の首位が頻繁に変わる傾向は2018年も続くだろうと予想している。

「誰かがほかの皆と違う、とは感じられない」とムグルッサはコメントした。「すごく興味深い年になると思う。多くの変化のある年になる、と私は感じているの」。

 まだ一度もグランドスラム大会で優勝したことがなく、2014年以来同決勝にも進出できていない世界2位のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)はビーナスと同じボトムハーフで、全仏チャンピオンのエレナ・オスタペンコ(ラトビア)、昨年の全豪で4強入りを果たしたココ・バンダウェイ(アメリカ)と同じクォーターに入っている。

 2017年シーズンは、オスタペンコとともに、USオープンで初タイトルを獲ったスローン・スティーブンス(アメリカ)を交え、女子では4人の違ったグランドスラム優勝者が出現したが、男子では、フェデラーとナダルがふたつずつタイトルを分け合った。

 昨年2回戦で驚きの敗北を喫したジョコビッチは、2018年にこの傾向を変えるに十分なだけ、体調を取り戻したいと願っている。

「僕はまだ100%じゃない。あと3、4日でそうなれるよう願うが」

 ジョコビッチは今週、クーヨンのエキシビションでティームを倒したあとにこう言った。

「自分はこんなふうなんじゃないか、と思っていたよりも、いいプレーをしている。そして何より重要なのは、痛みなしにプレーしているということだ」

 ジョコビッチは、オーストラリアン・オープンに間に合うよう準備を整えるため、可能なことはすべてやったと話している。

「もしプレーできたら、有頂天だよ」と彼は言った。「今、すべては正しい方向に進んでいる」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は会場で練習するディフェンディング・チャンピオンのロジャー・フェデラー(スイス)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 14: Roger Federer of Switzerland in action during a practice session ahead of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 14, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by Clive Brunskill/Getty Images)

This article is a sponsored article by
''.