チリッチが3度目のグランドスラム決勝進出で、エリートグループの仲間入り [オーストラリアン・オープン]

 オーストラリア・メルボルンで開催されている「オーストラリアン・オープン」(1月15~28日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、世界49位のカイル・エドマンド(イギリス)を6-2 7-6(4) 6-2で下した第6シードのマリン・チリッチ(クロアチア)は、ここ10年の同大会で、決勝に至った2人目の『ビッグ4以外の選手』となった。

 ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アンディ・マレー(イギリス)は、2009年以来、男子テニス界を支配してきた。2014年チャンピオンのスタン・ワウリンカ(スイス)のみが、チャンピオンシップスのかかった試合で、この4人組の占拠に割って入ることができたのだ。

 メルボルンパークで決勝に至った初のクロアチア人で29歳のチリッチは、日曜日の決勝で、この『ビッグ4』の創設者と対戦する可能性がある。それは、もし前年度覇者のフェデラーが、金曜日のもうひとつの準決勝でチョン・ヒョン(韓国)を倒したら、の話しだ。

 チリッチは、昨年のウインブルドン決勝でフェデラーに敗れたが、この試合での彼は故障を抱え、試合終盤にはその故障のため苦しんでいた。今回、彼は第10シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)、世界1位のナダルらを押さえて勝ち上がっており、決勝前に2日の休みを取ることができるので、おそらくよりよい体調で臨めるはずだ。

「肉体的に、非常にいいフィーリングを覚えている。ここまでのところ、僕は非常にいいレベルのテニスを見せつつ、素晴らしい大会を送っている」とチリッチは言った。

「昨年の終わりと比べ、僕は向上した。僕は今、ずっとアグレッシブにプレーしている。決勝について、本当にワクワクしてもいるよ」

 これはチリッチにとって、3度目のグランドスラム大会決勝だ。彼は2014年USオープン準決勝でフェデラーを破り、そのままの勢いで決勝に勝って、グランドスラム初制覇という飛躍を果たした。

 彼は2010年にメルボルンで準決勝に至ったが、その後、前述の全米決勝に進出してそのレベルを超えるまで、さらに16ものグランドスラム大会の間、待つことになった。

 長い待機は、彼を煩わせはしなかった。その上彼は、10回のトライのあとにようやく全豪決勝に至っており、これは1980年代のキム・ウォーウィック(オーストラリア)とタイ記録だ。

 チリッチは、エドマンド戦の序盤にプレッシャー下に置かれ、最初のゲームでブレークポイントを凌がなければならなかった。彼は踏みこたえ、サービスゲームをキープすると、迅速に事態を収拾して第1セットを奪取。緊迫した競り合いとなった第2セットでも落ち着きを保ち、第3セットではやはり迅速にブレークを果たした。

「第2セットでは、自分の調子という意味でちょっぴりアップダウンがあったと思う。リターンを返せていなかったから、彼のサービスゲームにプレッシャーをかけることができていなかった」とチリッチは振り返った。

「僕がブレークを果たした第3セットの第3ゲームに、そのことに気付いた。彼はいくつかのボールで抜かれ、僕は、動きながらだと彼に少し限界が生まれるのを見たので、ただボールを散らすように努めたんだ」

 チリッチは、最初のゲームのあとはもはやブレークポイントに直面することもなく、エドマンドが初めてのグランドスラム大会準決勝に熱くなっている間に、持てる経験をフルに活用した。エドマンドは第2セットの第5ゲームに判定に関して主審と議論し、ルールを説明するため大会のスーパーバイザーを呼ぶよう要求。これは、避けられないことを遅延させたにすぎなかった。

 1回戦でUSオープン準優勝のケビン・アンダーソン(南アフリカ)を、準々決勝で第3シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を倒した激戦が、エドモンドの体に堪えているようだった。彼はメディカル・タイムアウトを必要とした。

「言うまでもなく、僕は負けてがっかりしてる。でも、ああ、僕にとって、本当によい数週間だった。グランドスラム大会で初めて最後の方まで勝ち進むことと、それに伴うすべてについての経験を得た。ロッド・レーバー・アリーナでも数試合をプレーしたしね」と、エドマンドは言った。

「今この瞬間にはガッカリはしているけど、ここでやったこと、その過程について、とてもうれしく思うことができると思うよ。多くのタフな試合をプレーし、いくつかのタフな試合で勝利を収めた。優秀な選手たちを倒してね」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は第6シードのマリン・チリッチ(クロアチア)
MELBOURNE, AUSTRALIA - JANUARY 25: Marin Cilic of Croatia celebrates winning match point in his semi-final match against Kyle Edmund of Great Britain on day 11 of the 2018 Australian Open at Melbourne Park on January 25, 2018 in Melbourne, Australia. (Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

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