日本敗れる!「最後までサービスが修正できなかった」と杉田 [デ杯日本対イタリア]

 男子テニスの国別対抗戦、デビスカップ・ワールドグループ1回戦「日本対イタリア」(2月2~4日/岩手県・盛岡タカヤアリーナ/室内ハードコート)。イタリアの2勝1敗で迎えた最終日、日本は杉田祐一(三菱電機)がファビオ・フォニー二(イタリア)に6-3 1-6 6-3 6-7(6) 5-7で敗れて1勝3敗となり、チームの敗戦が決定。ワールドグループ8強入りを逃した。

 日本の勝利の条件はシングルス2連勝。エース対決となる最終日の第1試合、日本は杉田、イタリアはフォニーニがコートに姿を現した。フォニーニは初日から3日連続の出場となったが、イタリアのコラド・バラズッティ監督は、この試合で決着をつけようとしていた。

 飛び出したのは杉田だった。先にブレークに成功して3-0とリードを広げる。ブレークバックを許したものの、3-2からの第6ゲームでもふたたびフォニーニのサービスゲームを破って第1セットを6-3で先取する。気迫あふれるすばらしい立ち上がりだった。

東北のファンの声援を背に戦う杉田

 だが、フォニーニも負けてはいない。第2セットから徐々にリズムと勢いを取り戻し、6-1でセットオールに持ち込む。抜くところは抜くが、とりにいくところはとりにいくという、メリハリの効いたプレーはさすがだった。

イタリアのエースはフォニーニ

 それでも「とても疲れていた」というフォニーニのプレーは、第3セットから微妙に狂い始める。杉田の粘り強いストロークの前にミスが目立ち、顔を歪める。気性が激しいフォニーニに対し、杉田は沈着冷静なプレーに徹し、第3セットは杉田が6-3で奪って勝利に近づいた。

 第4セットは杉田が0-3から一気の5ゲーム連取。しかし、5-4からの第10ゲームでサービスキープに失敗して追いつかれると、タイブレークでもポイント6-5で先にマッチポイントをつかみながら、このチャンスを逃し、勝負の行方は最終セットへもつれ込んだ。

 最終セットも杉田が4-1としたが、フォニーニが最後の気力を振り絞って反撃に転じる。激しいストローク戦。終盤はブレーク合戦となったが、最後はフォニーニが大の字になってコートに倒れ込み、4時間8分の熱戦が終わった。

フォニーニの勝利を祝福するイタリアチーム

「勝ててとてもうれしい。3日間を戦い抜くことは簡単ではなかった」とフォニーニ。単複フル回転で、勝利に必要な3勝すべてをチームに運んだ。「どの試合もタフになることはわかっていた。できることはすべてやったつもりだ」とチームの勝利を喜んだ。

 杉田は最終試合のダニエル太郎(エイブル)に勝利のバトンをつなぐことができなかった。「最後までサービスを修正できなかった。それがすべて。自分の流れにもっていけなかった」と悔しさいっぱい。世界ランク22位の実力者に対し、マッチポイントまで握ったが、その1ポイントが遠かった。

 岩渕聡監督は「1勝3敗という結果に悔しさはあるけれど、4試合ともすべて大接戦だった。ネガティブな感じはない。チームが得たものは大きい」と言い、「添田の存在がチームにとって大きかった」とチーム最年長33歳の働きを労った。

記者会見での日本チーム

 その添田は「イタリアの選手はフィジカルもメンタルもタフだった。悔しいけれどチームとしてレベルアップできた戦いだったと思う」と3日間の戦いを振り返った。勝ったイタリアは4月の準々決勝でフランスとオランダの勝者と対戦し、日本は9月のプレーオフを戦うことになる。

編集部◎牧野 正

写真◎井出秀人

※トップ写真は、勝敗決定後の日本チーム

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