第1ステージから全勝の橋本総業ホールディングスが悲願の初V [第32回テニス日本リーグ]

「第32回テニス日本リーグ」の決勝トーナメント(2月9~11日/東京都渋谷区・東京体育館/室内カーペットコート)は最終日、男女の決勝と3位決定戦が行われ、女子は橋本総業ホールディングス(以後・橋本総業HD)が大会4連覇中の島津製作所を3-0で破り、悲願の日本一に輝いた。

 女子は5年連続で同一カードによる決勝戦。そのすべてに勝利した島津製作所と悲願の初優勝を目指す橋本総業HDの一戦は、S2対決で流れが傾く。

 橋本総業HDは昨年プロ転向した19歳の小堀桃子を起用。対する島津製作所は、日本リーグで3年連続MVPを獲得した桑田寛子がコートに立った。ゲーム序盤は経験に勝る桑田がリードを広げて3-1とするも、「そこで離されなかったのが勝因」と小堀。相手のリズムを崩して勢いをシャットアウトした。計7度のブレーク合戦は6-4で小堀に軍配が上がった。

橋本総業HDの小堀桃子(撮影◎菅原淳/テニスマガジン)

 小堀は続くセットも1-3とリードを許したが、最後まで落ち着いていた。第1セット同様に粘り強くプレーしながら桑田を徐々に追い込む。プレーの精度を落とし始める桑田は小堀にマッチポイントを握られると、最後はダブルフォールトでの終焉となった。

島津製作所の桑田寛子(右)と小森ひろ子監督

 橋本総業HDは過去4度の決勝で初戦のS2に全敗していたが、今回は違った。先に王手をかけることにより、S1で出場した瀬間詠里花は「私もいい流れで気持ちよくプレーできた」。相手は昨年のS2対決で敗れた相手、今西美晴だった。

 瀬間は第1セットから好スタートを切った。固さが見られる今西に対して最初のゲームから5ゲームを連取。一度だけブレークを許すも6-2でセットを先取する。続くセットは今西の粘りに遭って4-6で落とすが、最終セットはふたたび4ゲームを連取するなど5-2とリードを広げた。

島津製作所のシングルス1を務めた今西美晴(撮影◎菅原淳/テニスマガジン)

 だが、瀬間は「(今西が)このまま終わるわけがないと思ってしまい、気持ちが引いてしまった」ことでミスを連発。5-5に並ばれてしまう。

 これまでならゲームを立て直せないこともあった瀬間だったが、「(5-5の場面で)一度冷静になることができた」。小堀の1勝目や次に控える江口実沙/穂積絵莉のダブルスなど頼もしい仲間の存在も大きかった。そして何よりも最後は「自分を信じる」気持ちで2ゲームを連取。優勝が決まると、その場で大きく飛び跳ね、歓喜に沸くチームとともに喜びを分かち合った。

全試合終了後にチーム全員で記念撮影(撮影◎菅原淳/テニスマガジン)

 残るダブルスも江口/穂積が大前綾希子/西本恵をストレートで破り、第1ステージからひとつも試合を落とさない全勝優勝を達成。

 優勝を決めた瀬間は「第1、2ステージを戦った選手たちや穂積選手と江口選手の存在も心強かった。試合中も声を出して応援してくれて、常に“ひとりじゃない”と思えた。みんなで勝ち取った優勝です」と笑みがこぼれた。

編集部◎中野恵太

※トップ写真は、シングルス1に勝利し優勝を決めた瀬間詠里花(左)とベンチコーチに入った井上明里
撮影◎菅原淳/テニスマガジン

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