佐藤久真莉が韓国のパク・ソヒョンとの15歳コンビで決勝進出 [世界スーパージュニア]
「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス」(本戦10月17~22日)は本戦4日目も悪天候に見舞われた。靭テニスセンター(大阪)で予定されていたシングルスはすべてキャンセルされ、ダブルスのみ会場をブルボンビーンズドーム(兵庫県三木市)に移すという苦渋の決断。
男子ダブルスはまだベスト8も出揃っていない状況だったが、男女とも準決勝までを一気に行った。5時間の間に3試合を戦った選手もいれば、試合間に10〜15分の休憩しかとれなかった選手も。そんなハードスケジュールの中、日本人ペアは次々と敗退。準々決勝には男子4組8名+1名(パートナーは外国人)、女子3組+1名の日本人が残っていたが、決勝に駒を進めたのはシングルスでもベスト8に残っているパク・ソヒョン(韓国)と組む佐藤久真莉(CSJ)ただ一人となった。
◇ ◇ ◇
15歳同士の初々しい日韓ペアが快進撃を見せている。小学生の頃から未来の日本のホープと注目されてきた佐藤が、グレードAでは初めてのダブルス決勝進出。パートナーは、前日にシングルスで第4シードの内藤祐希(TEAM YONEZAWA)を破ったパクだ。
「年も同じで、同じ大会に出ていたこともあって前から知っていました。今回の出場選手のリストを見て、ダブルスを組みたいと思って私から声をかけた。組むのは初めてだけど、ここまで勝ってこられてすごくうれしい」
準々決勝では第1シードの内藤/佐藤南帆(有明ジュニアテニスアカデミー)、準決勝では第6シードのデニサ・ヒンドバ(チェコ)/オーナ・オルパナ(フィンランド)と、シード勢を連破したあと、笑顔が弾けた。
準決勝はどちらに転んでもおかしくないタイブレーク勝負になった。第1セットを6-3 で奪い、第2セットは2-6で落としている。
10ポイントのマッチタイブレークは一時3-6と劣勢に立たされたが、そこから4ポイントを連取。ふたりとも終始溌剌とプレーし、緊迫した場面でもアグレッシブにウィナーを奪いにいく姿勢が印象的だった。
両ペアともミスが少なく長いラリーも多かったが、最後は佐藤が思いきってポーチに出てバックハンドのボレーを決めた。
パートナーについて、「球が速くて、どんな相手と打ち合っても負けないので、安心して前でチャンスを狙っていける」と佐藤。ともに、昨年の夏からプロサーキットにも参戦する中、ジュニアのグレードAで初タイトルをつかめるか。決勝は第3シードのチェン・ペイシャン(台湾)/ワン・シユ(中国)とのアジア対決となる。
なお、男子第1シードの清水悠太(イカイ)/田島尚輝(TEAM YONEZAWA)は準決勝でジェイミー フロイド・アンジェル(フランス)/ニコラス・メヒア(コロンビア)に6-1 4-6 [7-10]で逆転負けを喫した。第5シードの市川泰誠(A&F)もイン・バンシュオ(台湾)とのペアで準決勝に進んだが、第8シードのアドミル・カレンダー(クロアチア)/ヴァランタン・ロワイエ(フランス)に6-7(4) 4-6で敗れた。
清水と田島は21日に行われるシングルス準々決勝以降に気持ちを切り替えたい。ただ、やはり雨天予報のために屋外の靭テニスセンターでは試合ができないとの判断で、会場は江坂テニスセンターに移されることになる。スタンドがないので観客は入れない。ジュニア大会とはいえ、週末は毎年かなりの観客が入って盛り上がる大会だけに残念だ。
(ライター◎山口奈緒美)
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