Topic7|うまくなる方法|堀内昌一先生×鈴木貴男プロ×高田充コーチ_特集「本気でサービス2010」
本誌最強サービス指導陣の堀内昌一先生、鈴木貴男プロ、高田充コーチの3人がお届けするサービスレッスン。サービスにおいてもっとも多いと考えられる欠点弱点を7つのトピックとしてピックアップし、その問題点を話し合い、解決策を導いていただいた。今回は「 Topic7|うまくなる方法」だ。【2010年10月号掲載】
できることを増やしていき、
できないことを減らしていく
サービスは一球打つたび修正して
再現できるものへと変えていく
Q ご自身の経験から、サービスがうまくなるきっかけはどういうところにあるか教えていただけますか?
堀内 亜大のテニス部は男女一緒に練習していて、女子は明らかに男子に影響されて、サービスを上達させています。人間、周りに影響を受けるのは当たり前で、いかによいサーバーと接するか、そこから盗むかが、うまくなるきっかけだと思います。よいレシーバーに入ってもらうことも、自分のサービスに何が足りないかを教えてくれるでしょう。女子は女子、ジュニアはジュニアで練習していると、その範囲でサービスを求めてしまうので、僕はレベル・年齢・性別をミックスして練習するのがよいと思います。
鈴木 僕もそれは思います。外国人選手と練習すると「サービスを入れて…」なんてやっていたら恥ずかしい状況です……。だって、誰もそんなことを考えてサービスを打っていないし、求めていないですから。サービスはポイントを取るための手段で、そういう思いで打っているサービスは、音をはじめ、何もかも質が高いです。身長が低い選手も同じようによいサービスを求めています。その中にいたら誰だって、サービスをよくしようと思いますよね。
高田 僕も現役時代に、松岡修造さんや鈴木プロと練習する機会があり、その時間が僕にとってどれだけ貴重な時間になったことか。2人が時速200㎞のサービスを打ってきて、その音といったら…(笑)。僕の中にそれは残ったし、このままじゃいけない、もっとサービスを上達させようと思いましたね。
堀内 今回、鈴木プロが大学のコートに来てくれて、サービスのデモンストレーションをしたとき、「今のは50cm浅かった」とか「50cm深くできる」とか「もう少し高さが必要」とか、一球一球ラインを緻密に狙っているのを見て、やっぱり「修正」がサービスをうまくするんだと思いました。
鈴木 サービスは一球打つたび、次を修正していくものです。僕はターゲットに当てる練習が嫌いなんですが、当てるのが目的になると実践的ではなくなるからです。当てるより、どれだけ常に寄せられるか、確率を求めて修正します。再現性の高いサービスを求めていく練習が、うまくなる練習だと思います。
高田 サービスは自分でいくらでもうまくできるショットです。ところが、もしも厚いグリップで始めてしまったら……うまくなれないことを知ってほしいし、気づいてほしい。そして修正していかないと、やっぱりうまくはなれないです。
堀内 できることを増やしていくのももちろん大事ですけど、できないことを減らしていくのも大事です。
鈴木 サービスをあきらめてリターンを頑張る選手が、結構います。そういう選手は本当にサービスのよい選手と当たったらどう戦うんだろうと思います。リターンゲームは、そんなにブレークできるものではないです。ラファエル・ナダルは一年を通じて、3回に1回の割合でしかブレークできないそうです。あれだけリターンがいい選手が3回に1回で、それ以下の選手は5回に1回、1回もブレークできない中で勝負しなければいけないときもあるということです。そう考えたら、それでもリターンを頑張るとは言えないでしょう。リターンよりもサービスを何とかしないといけない、サービスがよかったら上に行ける。やっぱりサービスは徹底的にやるべきショットです。
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