ソネゴがラッキールーザーから快進撃、決勝は今季5勝目を目指すルブレフ [エルステ・バンク・オープン]

写真はロレンツォ・ソネゴ(イタリア)(Getty Images)

ATPツアー公式戦の「エルステ・バンク・オープン」(ATP500/オーストリア・ウィーン/10月26日~11月1日/賞金総額155万950ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第5シードのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)がケビン・アンダーソン(南アフリカ)の途中棄権で勝ち上がり、今季5度目の決勝でロレンツォ・ソネゴ(イタリア)と対決することになった。

 アンダーソンが右腿の故障を理由に準決勝の試合を途中棄権したとき、ルブレフは6-4 4-1でリードしていた。

 2018年にウィーンで優勝していたアンダーソンは、試合開始時から太腿にテーピングを施していた。彼はまず第2セットの最初のゲームを落としたあとにメディカルタイムアウトを取り、0-3となったところでふたたび治療を頼んだ。アンダーソンはそのあと2ゲームをプレーしたが、そこで試合続行を断念した。

 2回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した19歳のヤニク・シンネル(イタリア)が足の負傷で棄権したため、ルブレフが試合を最後までプレーせずに勝ち上がったのは今週2度目となる。ここ2ヵ月のうちにハンブルクとサンクトペテルブルクで優勝しているルブレフは、過去4大会での戦績を18勝1敗とした。

「失うものは何もないと考え、僕はこの大会にやってきた」とルブレフはコメントした。「楽しんだ上でベストを尽くし、すべての試合のすべてのポイントで戦うためにここに来たんだ。決勝に至った今も、同じように考え続けるつもりだよ」。

 第1セットでのルブレフとアンダーソンは、5-4まで互いに自分のサービスゲームを簡単にキープしていた。しかしアンダーソンはそこからブレークポイントを2本凌いだあと、ダブルフォールトを犯して重要なゲームとセットを手放してしまった。準決勝で11本のサービスエースを決めたルブレフは、この大会を通して一度もサービスゲームを落としていない。

 膝の手術を2度受けたあと、アンダーソンはキャリア6勝目を挙げた2019年1月のプネー以来となる決勝進出を目指していた。

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために短縮された今季のルブレフは決勝で4勝0敗の戦績を誇っており、5大会で優勝した最初のプレーヤーとなるチャンスを擁している。

 準々決勝で世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)に対して6-2 6-1の番狂わせを演じた翌日、ソネゴはダニエル・エバンズ(イギリス)を6-3 6-4で下した。ソネゴはエバンズに対して迅速に3-0とリードを奪い、サービスからのポイントをわずか4本しか落とさず第1セットを制した。

 エバンズは第2セットの第1ゲームでサービスを落としたあと肩の問題のため治療を受け、次のゲームで初めてブレークに成功した。しかしソネゴは直ぐに追いつき、最初のマッチポイントでエバンズがフォアハンドをネットにかけて決着がついた。

「本当にうれしいよ。昨日起きたことのあとにエバンズに対してプレーするのは容易なことではなかったけど、こうして勝つことができて本当に幸せだ」とソネゴは語った。彼は予選決勝で敗れていたが、第6シードで出場予定だったディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)が肩の故障で欠場したことでラッキールーザーとして本戦出場権を手にしてから1セットも落としていない。

 世界ランク42位のソネゴは、昨年のアンタルヤに続くキャリア2度目のツアー優勝を目指している。ルブレフは2016年にクレーコートのチャレンジャー大会でソネゴに勝っており、ふたりの対戦成績は1勝0敗となっている。(APライター◎エリック・ウィレムセン/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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