暑さが問題となった東京大会を終え、テニス運営組織が次のオリンピックで開催期間の延長を要請「11日間の日程が必要」

写真は男子シングルス3回戦でチェンジエンドの間に体を冷やすのノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 1年遅れでの開催となる世界的なスポーツの祭典「東京オリンピック2020テニス競技」(東京都江東区・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/7月24日~8月1日/ハードコート)が日曜日、全日程を終了した。

 ひとりの選手が車いすで運び出され、もうひとりは「死にかねない」「気絶しかけた」と言った。

 東京五輪テニス競技の間、酷い暑さと湿気は大きな問題となっていた。テニス運営組織は日曜日、未来のオリンピックではより多くの休息とケアをプレーヤーに与えるために競技期間を長くする必要があると述べた。

 目標は3年後にパリで行われる次のオリンピックでは、2日追加して大会の期間をより長くするというものだ。2014年パリ五輪のテニス競技は、フレンチ・オープンの開催地であるロラン・ギャロスのレッドクレーで行われる予定になっている。

「我々に本当に必要なのは、日程を11日間にしてプレーヤーのためにより多い休息時間を与えることです。我々は利害関係者やツアーと話し合わなければなりません」と国際テニス連盟(ITF)のデビッド・ハガティ会長はコメントした。

 会場となった有明テニスの森公園で気温は一貫して32度ほどまでに上がり、むせ返るような湿気のせいで体感気温は38度ほどに感じられた。

 パウラ・バドーサ(スペイン)は熱中症のため、マルケタ・ボンドルソバ(チェコ)に対する準々決勝を棄権しなければならなかった。彼女はプレーを続けることができなくなり、車いすでコートから退場した。

 世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)と同2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)から苦情が出たあと、最終的にITFは一番暑い時間帯を避けるために試合の開始時間を11時から15時に変更した。第2シードのメドベージェフは試合中に気絶しかけ、呼吸に問題を抱える羽目に陥った。

 太陽が午前5時前に登るこの時期の東京でもっとも暑いのは、午前中から昼間の時間帯だ。しかしこの日程の変更は、9日間で行われる大会の6日目まで実施されなかった。

「我々が対処できなかった分野のひとつが日程でした。スケジュールは9日間で、大会の出だしには最初の96試合を間違いなく消化できるようにするため11時に試合を開始する必要があったのです。台風がくる可能性があるという予報もありました」とITFでプロテニス部門を担当するシニアエグゼクティブディレクターのクリス・デント氏は説明した。

「カギとなる重要な要素はプレーヤーの休息で、不幸なことに9日間で5種目を行うために選手たちに十分な休息を与えることができませんでした。これはパリとロサンゼルスに向かっていくに当たり、我々の優先事項です」

 ふたつのシングルスでの敗戦で体力を消耗させられたあと、ジョコビッチはニーナ・ストヤノビッチ(セルビア)と組んだミックスダブルスの銅メダルマッチを棄権しなければならなかった。

「確かにプレーヤーたちは、彼らにとって2~3の種目でプレーできるようにすることは重要だと話していました。そしてオリンピックが彼らにとってどういう意味を持つのかについて我々に語ってくれました。我々はオリンピックに繋がる会話をしました。そして前進していく中で、同じようにしていくつもりです」とハガティ会長は語った。(APライター◎アンドリュー・ダンプ/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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