「僕らは11歳のときの劣悪な環境から、ここまで上り詰めた」ルブレフとの決勝を制して感極まるズベレフ [ウェスタン&サザン・オープン]

試合後に握手を交わすアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/左)とアンドレイ・ルブレフ(ロシア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月15~22日/賞金総額540万4435ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝が行われ、東京オリンピック金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が世界ランク7位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を6-2 6-3で倒し、今年4つ目のタイトルを獲得した。

 試合後、ズベレフが優勝インタビューに応じた。

「僕らは何度も何度も対戦してきた。11歳の頃からだから、お互いのプレーを知り尽くしている。彼は現在のツアーでもっともパワフルな選手のひとりだから、自分の最高のプレーを見せなければいけないと思った。ベストのテニスを見せなければ、彼はどんな相手でも倒してしまう。僕がベストのテニスを見せるには、アグレッシブに戦うことになり、ラケットを思い切って振り抜くことになる。それがうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。今日はうまくいってよかった」

 物凄いコースを狙ったショットが面白いように決まった。

「それが続くといい、USオープンが1週間後には始まるからね。さらにいいプレーを見せたいし、上達したい。出場する選手は誰もが同じことを思っているだろう」

 前日にステファノス・チチパス(ギリシャ)との準決勝が最終セットのタイブレークまでもつれ、疲れがあったのではないか。

 「決勝の最初から調子がよく、疲れは感じなかった。今日の暑さのおかげで、自分のショットがさらに速く飛んだように思う」

 いま、キャリアで最高のテニスを見せられているのか。

「(USオープンが終わる)3週間後に同じ質問をしてくれたら、答えるよ。シーズンの中でもビッグイベントがくるところだから、今大会のようにいいプレーを見せたい」

 今年4タイトルを獲得しているが、USオープンもこの調子でいけるのではないか。

「グランドスラムは別物だ。5セットマッチで誰もが最高のプレーを見せ、モティベーションは最高潮に高まる。自分は自分のやるべきことを続けるだけ。ノバク(・ジョコビッチ/セルビア)が間違いなく優勝候補ナンバーワンだ。ノバク、アンドレイ、ステファノスは皆好調なはずだ。皆が最高のプレーを見せ、その中で最高の選手が勝つだろう」

 仲のいいルブレフとの対戦で過去の思い出が頭の中をよぎったのではないか。

「楽しかったよ。11歳から知っているし、下部の大会では劣悪な環境もあったけど、そんな中でも一緒に戦い抜いてきた。今日のようにツアーの最高峰でプレーすることを目標にね。そして今ツアーの決勝で戦うことができている。どちらもテニスの最高峰の舞台まで上り詰めたのだから、最高の気分だ」

 これから優勝を祝って、近くの遊園地でジェットコースターにでも乗るのか?

「いや、ジェットコースターはちょっと苦手なんだ。それに、今日は暑すぎるよ。おそらく明日の朝には(USオープン会場の)ニューヨークへ飛ぶことになる。ここで一軒家を借りているから、夕飯を食べて、トランプでもして祝うよ」

 もしアンドレイも一緒に夕飯をとるなら、今日の君のパフォーマンスなら、奢らないといけないね。

「誘ってみようか。来てくれるかな?(笑)」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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