2つのマッチポイントを凌いだティームが3時間を超える死闘を制して2回戦へ [ウィンストンセーラム・オープン]

写真は2021年ドバイ・デューティフリー・テニス選手権でのドミニク・ティーム(オーストリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ウィンストンセーラム・オープン」(ATP250/アメリカ・ノースカロライナ州ウィンストンセーラム/8月21~27日/賞金総額82万3420ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、ドミニク・ティーム(オーストリア)がJ.J.ウルフ(アメリカ)とのワイルドカード(主催者推薦枠)同士の対決を6-7(5) 7-5 7-6(6)で制した。

 ケガから復帰してまったく勝てなかった期間を乗り越えてようやくいい軌道に乗り始めている様子のティームだが、まだ完全に元通りという訳ではない。

 劣勢と劇的な展開を潜り抜けて勝利を掴んだティームは、「第一に、勝つことができてこの上なくうれしい。ハードコートでは確か2021年3月以来だから、かなり久しぶりだよ」と試合後に喜びを吐露した。

「今日は雨による中断もあって夜の11時15分にコートに戻ったから、まったく簡単ではなかった。凄く遅かった。ふたたびリズムを掴むのに苦労したよ。でも幸運なことに、第3セットのタイブレークで少しレベルを引き上げることができた。雨で似たような状況だったキッツビューエルのときと違い、今日は僕のほうに運がついていたね」

 競り合いの末に第1セットを落としたティームは何とか第2セットを取り返し、第3セットでは雨による中断を挟んでブレークして4-2とリードした。しかし次のゲームをキープできずタイブレークに持ち込まれティームは4-1とリードしながら5ポイント連続で落とし、ウルフが6-4とマッチポイントを握った。

 そこからバックハンドとフォアハンドのウィナーを立て続けに決めてピンチを凌いだティームは最後の4ポイントを連取し、3時間10分に及ぶ死闘の末に勝利をもぎ取った。

「(第3セットのタイブレークで)4-6とされたとき、僕は『4-6か…。奮起するか、終わるかだ』と自分に声をかけ、少し力みを抜いたあとは完璧に進んだよ。4-6から8-6へ、連続でウィナーを決めて4ポイントを連取したんだからね」とティームは最後の局面を振り返った。

 ティームは次のラウンドで、第1シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。シード勢は初戦がBYEで免除されており、2回戦からの登場となる。

 この日は3回戦が1試合行われ、チアゴ・モンテーロ(ブラジル)が第6シードのニコラス・バシラシビリ(ジョージア)を6-4 6-1で倒してベスト16進出一番乗りを決めた。

 日本人選手はダニエル太郎(エイブル)と望月慎太郎(IMG Academy)がラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)で本戦入りしたが、いずれも初戦を突破することはできなかった。

 ダニエルが同じラッキールーザーのタロン・グリークスプア(オランダ)に6-7(3) 3-6で敗れ、3度目のツアー本戦に臨んだ19歳の望月はアレハンドロ・タビロ(チリ)に6-4 2-6 4-6で競り負けた。

 そのほかの試合ではファビオ・フォニーニ(イタリア)、アドリアン・マナリノ(フランス)、ワイルドカードで出場したミカエル・イーメル(スウェーデン)、ジェームズ・ダックワース(オーストラリア)、ツェン・チュンシン(台湾)、ぺーター・ゴヨブチック(ドイツ)、スティーブ・ジョンソン(アメリカ)、プロテクト・ランキング(ケガなどで長期休養を余儀なくされた選手への救済措置)で出場した元世界ランク12位のカイル・エドマンド(イギリス)が2回戦に駒を進めた。

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写真◎Getty Images

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