メドベージェフは2年前の成功を繰り返せず「リターンポジションを早めに変えるべきだった」 [USオープン]

写真は男子シングルス表彰式で準優勝プレートを受け取るダニール・メドベージェフ(ロシア)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月28日~9月10日/ハードコート)の男子シングルス決勝で、第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第3シードのダニール・メドベージェフ(ロシア)を6-3 7-6(5) 6-3で下して5年ぶり4度目の優勝を飾った。

 2023年シーズンのジョコビッチはオーストラリアン・オープンとフレンチ・オープンを制しており、この勝利で四大大会優勝回数で男女を通した最多記録を持つマーガレット・コート(オーストラリア)の「24」に並んだ。

 疲れている様子を見せながらもプレッシャーのかかる状況で持ち前のしぶとさを発揮したジョコビッチは、競り合いながらも相手に1セットも与えることなく3時間17分で試合を終わらせた。

 2年前の決勝ではメドベージェフが『年間グランドスラム(同じ年に四大大会全制覇)』達成を目指していたジョコビッチを6-4 6-4 6-4で倒してグランドスラム初優勝を飾っていたが、今回は第2セットで非常にいいプレーを見せはしたが同じことを繰り返すことはできなかった。メドベージェフがグランドスラム決勝で戦ったのはこれが5度目だったが、戦績は1勝4敗となった。

 メドベージェフにとって誤算だったのは、長いラリー戦を繰り広げてジョコビッチの疲れが見えた第2セットをものにできなかったことだろう。6-5からのレシーブゲームではセットポイントもあったが、ジョコビッチがサーブ&ボレーでピンチを凌いだ。

「確かに後悔はある。あれ(セットポイント)は取れるはずだった。でもテニスではうまくいかないこともある。クロスではなくダウン・ザ・ラインに打てば確実だったのに、選択を間違ってしまった。もし第2セットを取っていたら、違う試合になっていたかもしれない」

 104分を要した第2セットでレベルを引き上げたメドベージェフはフィジカル的にもよく持ち堪え、ジョコビッチは長いラリーを強いられ肉体的に追い込まれているように見えていた。ジョコビッチがそこでセットを失っていればメンタル的にも追い込まれ、メドベージェフに流れが傾いていたかもしれなかった。

「彼(ジョコビッチ)は疲れていた。長いラリーの最後に何度かミスをしていた。だからあの第2セットを取れなかったのは残念だった。あのときは僕のほうが完全に優勢だと感じていたからね」とターニングポイントとなった第2セットを振り返った。

「(ジョコビッチが要所でサーブ&ボレーを仕掛けていたにもかかわらず)リターンについては少し頑固過ぎた。恐らくポジションを変えるべきだった。ちゃんと返すことができなかったし、狙ったところに打つことができなかった。ネットに出てこられても僕はあまり気にしないんだけど、ノバクがうまくこなした。それに今日は僕のリターンもよくなかった。彼がよかったと言うより自分の問題だった。頑固にならずにもっと早い段階でポジションを前にするべきだった。やり始めたのは第3セットに入ってからだった」

 男子ツアーのハードコートで今季もっとも多く(38勝6敗)勝っているメドベージェフはマイアミとローマのATPマスターズ1000大会を含むツアー5勝を挙げ、49勝11敗の戦績で今大会を迎えていた。

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写真◎Getty Images

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