こちらメルボルン、いよいよ2週目に突入です。
面白い顔ぶれになってきましたね。

さて、今大会はわけあって
(って、新連載がスタートしたからなんですけど)
ナダルの試合に張り付いております。
今まで、こんなにナダルばかり追いかけたことがなかったので
彼のルーティンを覚えてしまいました。

ファンのみなさんならもう知っていることなのかもしれませんが
わたしにとっては「へえ~」「ほお~」と思うことばかり。

ナダルはコートに入ってきてバックをいつものように下ろすと
ペットボトルを2本、これもいつものように
きちんとベンチ前に並べます。きちんとです。
そしてベンチに腰を下ろすと、
オレンジ色のチューブ(ジェル状の何?)を取り出し
チュ~っと一気に吸い込みます。あっぱれです。
あれが何かはわかりません。ごめんなさい。
ナダルがあれを飲むと、わたしは彼が
ドラゴンボールの悟空に変身するように見えます(笑)。
彼がドラゴンボールのファンだと編集部に聞いたせいです。
よく似ている。

ナダルがそんなこんなして悟空に変身している間に、
相手(この日はフランスのマチュー)はネットのところで手持ち無沙汰。

ほらね。

待たせておいて、突然小走りに駆け寄り、やる気まんまんを見せる。
相手はこの感じが嫌だと思いますよ。
わたしならいやです。あんなに元気に近づいて来ないでよ、って。
でもナダルはそれをやらずにはいられないんでしょうね。


さて、試合途中から望遠レンズでずっとナダルの足を追ってみました。
自分でもだんだんマニアックになっていくのを感じます。
すごいんですよ、彼の足の動き。猛烈な速さです。
よくあれだけダッシュを繰り返せると思います。
彼はあの体格ですから猛獣みたいなイメージがありますけど、
足だけ見ていると、意外なことにすごくしなやかに動く足首なんです。
これには感銘を覚えました。実に美しい。


ところで、その足の動きに注目していたらナダルの縁起担ぎを発見。
これもファンの方はご存知なのかもしれないですけど、
こういう写真はなかなか見られないでしょう?

ほら。

ほらほら。

彼は“ラインを踏まない”ようにしているんです。

もちろんポイントが終わった場所や
そのときの感情によってそうはいかないときもあるようですが、
ポイントが始まる前にむやみにコートに入りません。
ベンチから出て行くときも、
サイドラインとサービスラインが交わった、
決まったところから入っていき、
ベースラインのセンターから出て行きます。
(ウインブルドンではサイドラインにそって
 ベースラインまで行ったりすることもあると編集部)。
それから、ポイントが終わってコートに入っているときは、
意識的にベースラインのセンターから出ていくのも見ました。
おもしろい、おもしろい。
とにかくボールが動いているとき以外は、
絶対にラインをまたいでいますね。

シアトルマリナーズのイチロー選手が
スタジアムのベンチから芝生のグラウンドに上がる階段は
決まった足から、と、
テレビのインタビューで話していたのを思い出しました。

厳しい戦いの世界に身を置く選手たちは、
その中で自分でこうとルールを決めて、それを頑なに守る、
選手なりの流儀や行動があるのでしょう…

そんなことを思うとき、
ナダルが記者会見で見せる神経質な表情の中に、
彼のもうひとつの内面を見る気がします。

ナダル連載、ぜひ見てくださいね!
1月21日発売のテニスマガジン3月号から始まりました!
 
(写真部・タカノ)

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