「もう少し戦いたかった」杉田が1ゲームでベスト8進出。内山/マクラクラン組は全米王者を下す [楽天ジャパンオープン]

「楽天ジャパンオープン」(ATP500/東京・有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コート/本戦10月2~8日/賞金総額156万3795ドル/ハードコート)の本戦4日目、日本からはシングルス2回戦に杉田祐一(三菱電機)、ダブルス準々決勝にマクラクラン勉(日本)/内山靖崇(北日本物産)が登場した。

 1回戦は1セットだったが、この日の2回戦はわずか1ゲーム。杉田がまたも相手の途中棄権によって勝利を手に入れた。しかも棄権したのは世界12位、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)。観戦に訪れたファンにはあっけない結末で、杉田も「もう少し戦いたかったというのが正直なところ」と口にしたが、ラオニッチは棄権を選択した。

 ラオニッチのサービスゲームで始まった注目の一戦は、わずか8ポイントの8分で終わりを告げた。ラオニッチは15-40からデュースに追いついたものの、そこから2ポイントを落として、いきなりのブレークダウン。「ふくらはぎを痛めた。デュースのときに後ろ側に鋭い痛みを感じた」と棄権の理由を説明した。

 これで杉田は先週の中国(成都オープン/ATP250)に続き、2週連続のツアー8強入り。ベスト4をかけて戦う相手はアドリアン・マナリノ(フランス)。トルコでツアー初優勝をかけて戦った相手であり、ウインブルドン2回戦でも戦った。過去2勝2敗。今季は早くも4回目の対戦で「またかという感じ。相手のプレースタイルはわかっているし、楽しみです」と杉田が自信たっぷりに語った。

「この大会をターニングポイントにしたい」と杉田(写真◎井出秀人)

 マクラクラン/内山の日本ダブルスは第1シードのジャン ジュリアン・ロジェ(オランダ)/オリア・テカウ(ルーマニア)のUSオープン優勝ペアに挑み、7-6(2) 7-6(3)のストレート勝利をおさめ、有明コロシアムの観衆から大声援を浴びた。

 先にブレークを許したのは日本ペアだった。内山がサービスの第4ゲームを落とし、第1セットは3-5とリードを許す苦しい展開。しかし、第9ゲームのテカウのサービスゲームでブレークバックに成功。イーブンに戻すと、もつれ込んだタイブレークをポイント7-2で制して第1セットを先取した。

 第2セットもお互い譲らず、オールキープでふたたびタイブレークに突入。日本ペアはここでも積極的に攻め立て、相手ペアを揺さぶり、ポイント7-3で大金星を手に入れた。

勝利を決めた瞬間の内山(左)とマクラクラン(写真◎井出秀人)

「びっくりしたのとうれしさが入り混じっている」と内山。マクラクランも「信じられない」と正直な感想を口にした。内山は「第1セットは不調だったが、勉が助けてくれた。3-5からブレークバックができて、そこから調子を取り戻せた」と試合を振り返った。マクラクランは「I(アイ・)フォーメーションが効果的だった。大切なポイントでいいプレーができた」と勝因を語った。

 この大会が初のツアー戦となるマクラクランはもちろん、内山もツアーでは初の4強進出となる。マクラクラン/内山は7日の準決勝で、サンティアゴ・ゴンサレス(メキシコ)/ジュリオ・ペラルタ(チリ)と対戦する。地元ファンの声援を力に変えて、決勝進出を目指す。


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