2013年のウインブルドン女王バルトリが現役復帰へ

 2013年にウインブルドンを制し、今年33歳になったマリオン・バルトリ(フランス)が、来季からツアーに復帰すると12月19日に自身のツイッターで宣言した。

「やあ、みんな! お知らせがあるの。復帰することにしたの……。大きな、大きなチャレンジになるわ。これからたくさんトレーニングが待っているので、3月ごろ、そしてマイアミ・オープンには間に合わせたいと思う」とツイッターにアップされた動画で話している。

 バルトリはフレンチ・オープン、フェドカップ、ウインブルドンの3つを特に楽しみにしているという。4年前、第15シードで出場したウインブルドンで驚きの優勝を飾った。それから2ヵ月も経たないうちに、ほかの大会で敗れたときに突然引退を発表したのだった。

 彼女は現役時代、個性的な人格で、個性的な選手でもあった。7歳半のときから憧れていたというモニカ・セレス(アメリカ)と同様に、フォア、バックともに両手打ち。医師でもある父親のコーチングを受けて、それ以外にもユニークな点が多かった。

 サービスを打つ前に両手をクロスさせ、トスを上げる前にボールを弾ませることはなかった。相手がサービスを打つときは、極端にコートの内側に入ってレシーブした。ジャンプしてポジションに入ったり、ポイント間によく素振りもした。

 彼女が最初にブレークしたのは2007年のウインブルドン。決勝に勝ち進み、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)に敗れた。それから6年後に、同じ舞台で魔法のような2週間が待っていた。ひとつもセットを落とさずに勝ち上がり、決勝はサビーネ・リシツキ(ドイツ)に6-1 6-4で勝利。最後のポイントはサービスエースで決めた。

 翌年、バルトリのウインブルドンのタイトル防衛を拒否した17年ぶりの女子選手となった。大会前の記者会見では、着ていた服の白い襟を引っ張り、右肩に青いテーピングを貼っている部分を披露した。そのとき、「毎朝肩が上がらないほど、状態が悪いの」と説明した。

 だからこそ、彼女が引退を発表した当時「後悔は何もない」と言い切ったのだろう。その後はテニスの解説者だけでなく、靴のブランドを立ち上げ、宝石のデザインを手掛けるなど、様々な分野で活躍した。

 自分のインタグラムのアカウントとユーロスポーツのサイトでも決断を公表したバルトリは、「できるだけ長く秘密にしようと思っていたけれど、告白することはもう避けられなかった」と話した。

「私には3つの目標がある。それはフェドカップで勝つこと、2020年東京オリンピックに参加すること、そしてふたたびグランドスラム大会で優勝すること」

 すでにかなり前からジムワークなどのコンディショニングを始めていた彼女は、3月のカムバックを待つ間、オーストラリアン・オープンではいままで通り、ユーロスポーツで解説者を務めることになっている。

 選手時代、常にぽっちゃりしていたバルトリは、2015年から16年にかけて急激に痩せていた。別人のようにスリムになったため、病気ではないのかという噂さえあったのだ。

 本人は最初、節制したためだと説明していたが、その後、30キロ近く痩せたのはウイルス性の病気のせいで、ものをまとに食べられなくなっていたためだったと告白している。しかし今、体は以前の状態に戻り、彼女は競技復帰に向けて絞り込んでアスリートの体を作っていくため、医師の指導を受けているという。(C)AP(テニスマガジン)

※今年のフレンチ・オープンではレジェンドマッチに出場したバルトリ
PARIS, FRANCE - JUNE 7: Marion Bartoli of France participates at the Tournoi des Legendes on day 11 of the 2017 French Open, second Grand Slam of the season at Roland Garros stadium on June 7, 2017 in Paris, France. (Photo by Jean Catuffe/Getty Images)

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