死者を出した6月の交通事故で、テニス選手のビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)、また彼女の車に衝突した対向車の運転手であるリンダ・バーソンさんの双方が、警察の告発を免れることになった、と警察が発表した。対向車の運転手の夫が、この事故から被ったケガでのちに死亡していた。

 パームビーチ・ガーデン警察の報告書によれば、ビーナスが彼女の自宅近くで交通量の多い6レーンの道路を渡ろうとしていたとき、身元不明の3台目の車が、彼女の行く手を不法に遮り、その結果、68歳のリンダさんが運転していたセダンが、ビーナスのSUVの助手席側に衝突するという事故に至る、一連の出来事が起きた。

 リンダさんの78歳の夫、ジェローム・バーソン氏は、この事故が起きた6月9日の13日後に死亡し、彼女自身は腕の骨折ほかのケガを負った。38歳のビーナスは、無傷だった。ジェロームさんの遺族は、明かされていない額の損害賠償金を要求しつつ、ビーナスに対して不法死亡訴訟を起こしていた。

 取り調べの責任者であるデビッド・ダウリング警察官は報告書の中で、道路近くのセキュリティカメラの映像が、ビーナスは彼女の居住地区に続く道から、青信号の際に正しく交差点内に入っていることを見せている、と述べた。ビーナスが道を渡り始めたとき、濃い色のセダンが彼女の行く手を遮り、彼女は止まることを余儀なくされた。セダンが進路上から去ったとき、ビーナスは2010年版トヨタ・セコイアで前に進み始めたが、この状況が、彼女の車を、青信号で走りだしたリンダさんの車の進路上に置くことになった。こうしてリンダさんの2016年ヒュンダイ・アクセントは、ビーナスのSUVに時速65kmで衝突した。

 ダウリングは報告書の中で、州の法に則ればビーナスは交差点から退出する必要があり、リンダさんは青信号で進んだとはいえ、交差点に他の車がいないか注意を払う義務があった、と説明した。

 バーソン家の弁護士、マイケル・スティンガー氏は、ダウリングの結論は間違っており、訴訟は続けられるだろう、とコメントした。

「このケースで交付されたすべての警察の報告書に記されているように、私のクライアントの信号は青だったのだから、ミス・ウイリアムズは明らかに、私のクライアントが進行する権利を妨害している」とスティンガーは声明文の中で述べている。「さらに、報告書は不正確だ。何故ならセキュリティ・ビデオはミス・ウイリアムズの信号の色を見せておらず、したがって、警察の出した結論を立証してはいない」。

 一方、ビーナスの弁護士、マルコム・カニンガム氏は、コメントを求める電子メールにすぐに返答しなかった。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の姉であるビーナスは、7度グランドスラム大会で優勝し、うち5つのタイトルを彼女のお気に入りの大会であるウインブルドンで獲得している。

 事故の数週間後、ビーナスはウインブルドンを戦い、7月15日の決勝でガルビネ・ムグルッサ(スペイン)に敗れていた。ビーナスは、大会の記者会見で事故とジェローム・バーソンさんの死について尋ねられたとき、涙にむせんだ。

 ビーナスがコート上で稼いだ賞金は4000万ドル近くにまで登る。また自身のファッション・ラインを持ち、ラルフローレン、クラフトフード、タイド・デタージェント(洗剤のメーカー)、ウイルソン・スポーティング・グッズと契約を結んでいる。彼女はまた、ごくわずかではあるが、マイアミ・ドルフィンズ(アメフトチーム)の所有権の一部も保持している。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はWTAファイナルズ(シンガポール)の記者会見でのビーナス・ウイリアムズ
SINGAPORE - OCTOBER 21: Venus Williams of the United States attends All Access Hour prior to the BNP Paribas WTA Finals Singapore presented by SC Global at Marina Bay Sands Hotel on October 21, 2017 in Singapore. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

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