WTAは2019年より「WTAファイナルズ」を現在のシンガポールから中国の深圳に移して開催すると発表した。賞金総額はこれまでの倍となる1400万ドル(約15億7000万円)に増額される。

 この移転開催は、女子テニスの人気が広まり、この数年は開催するツアー大会数も増えている、中国市場への莫大な投資を表すものだ。WTAは深圳でのWTAファイナルズ開催権の10年契約を結んだ。これは2014年から開催されているシンガポールでの期間の倍の長さになる。

 トップ8のシングルスおよびダブルス出場者に与えられる賞金総額は現状の700万ドルからかなりの増額になる予定だ。ロンドンで開催されるATPファイナルズの賞金総額が現在800万ドルのため、その倍近くの金額になる。

 WTAは中国の不動産会社「金地集団(Gemdale Corporation)」が開催権を落札し、深圳の都心部に1万2000人収容のスタジアムを建てると発表した。

「深圳がもたらす大きな可能性にとても興奮している。新たに建てられるアリーナは、都心部につくられる。これまでは郊外に建てられるケースが多かったが、今回は違う」とWTAのスティーブ・サイモンCEOはオーストラリアン・オープンで語った。

 この数年、中国、特に武漢、天津で開催されるATP、WTAツアーで観客動員数が大きな懸念になっている。しかし、サイモンは大都市で開催されるWTAファイナルズなら、珠江デルタ(中国珠江河口の広州、香港、深圳市、東莞市、マカオを結ぶ三角地帯)のように多くの人々の関心を引き寄せられると信じている。

「深圳の都市部の人口は2000万人、デルタ全体では6800万人にも上る。スタジアムを満員にすることに大きな自信を持っている」とサイモンは語った。

 10年契約は過去の開催都市にはないような異例の長期契約で、期待されたような集客が望めないかもしれないという懸念と隣り合わせだ。

 しかしながらサイモンは、新たな市場で大きなイベントを成功させるには、時間が必要だと主張する。彼は2016年に「シンガポールは我々が誇りを持って本拠地だと呼べる場所だ」と発言していた。

 シンガポールの観光庁が出した声明によると、WTAファイナルズ開催期間延長の可能性を、代理店のスポーツ・シンガポールと検討した結果、延長しないという結論に達したという。続けることの意義が見つけられなかった。

 サイモンは今後、WTAがほかの大会をシンガポールで開催できないか検討するという。「シンガポールでは素晴らしい市場を開拓した。それを無駄にするのはもったいない。今すぐにできるとは言わないが、検討すべき大事な事項だ」とサイモンは言う。

 深圳はすでに1月上旬にオーストラリアン・オープンに向けてのウォーミングアップとなるWTAツアーを開催している。今年、深圳オープンに出場したマリア・シャラポワ(ロシア)は、「女子テニスの大会を開催する強い意志を持った場所」とWTAの今回の決断を評価している。

「彼らは投資をしてくれる存在。私たちのスポーツを大きく成長させようとしてくれている。スタジアムを建設し、テニス、選手たち、大きな大会を受け入れる志がある」と今回の移転をかなり肯定的に受け入れている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は2015年のWTAファイナルズに出場したマリア・シャラポワ(ロシア)
SINGAPORE - OCTOBER 27: Maria Sharapova of Russia walks onto the court prior to her round robin match against Simona Halep of Romania during the BNP Paribas WTA Finals at Singapore Sports Hub on October 27, 2015 in Singapore. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

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