ATPツアー下部大会の「第54回 島津全日本室内テニス選手権大会(京都チャレンジャー)」(京都府京都市・島津アリーナ京都/本戦2月19~25日/賞金総額:男子5万ドル/室内カーペットコート)の本戦5日目は、男子シングルス準々決勝と男子ダブルス準決勝が行われた。

 シングルスの日本勢は添田豪(GODAI)と内田海智(富士薬品)の2人が残っていたが、いずれも敗れて準決勝進出はならず。しかし、その後ダブルスでふたたび登場した添田は、内山靖崇(北日本物産)とのペアで準決勝に臨み、N.スリラム・バラジ/プラジュネシュ・グネスワラン(ともにインド)に6-4 7-6(6)で勝利。2年ぶりに組んだペアで2年ぶりの決勝進出を果たした。

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 ジュニア時代、ウインブルドンとUSオープンでベスト4入りし、日本男子のホープと期待された内田は現在330位。フロリダのIMGアカデミーに拠点を置く内田のプレーを見る機会はなかなかない。日本の大会にシングルスで最後に出場したのは3年以上前になる。アメリカを中心に転戦してきた23歳が、今回5年ぶりの京都に挑み、チャレンジャー大会で初めてのベスト8に駒を進めていた。

 今日の準々決勝の相手は、第2シードのジョーダン・トンプソン(オーストラリア)。同じ23歳で、ジュニア時代には対戦したこともダブルスを組んだこともあるが、プロになってからは対戦したことがなく、トンプソンのほうは昨年躍進して現在95位と差は大きく開いた。そんな昔なじみとの対戦が楽しみだったという内田だが、先にブレークした第1セットをタイブレークで奪われ、風向きが変化。第2セットは0-6と完全に一方的な展開となった。

 この大会に使用されるタラフレックスというサーフェスは、とにかくサービスの威力がものをいう高速サーフェスだ。内田はここで有効な強力サーブを持っているが、強烈サーブを叩き込むこと以外の戦い方を把握しきれなかったという。

「僕がまだ戦い方がわかっていない中で、ジョーダンはうまくラリーを作ってきた。深いボールでだんだんプレッシャーをかけられて、自分が先にミスしてしまった」と振り返った。
 
 続いて同じコートに登場した添田の相手は、予選上がりの19歳、ブレイク・エリス(オーストラリア)。674位というランキングながら191cmの長身からのサービスを武器に予選からの勢いに乗ってきた。1回戦で高橋悠介(三菱電機)、2回戦で第5シードの伊藤竜馬(北日本物産)を破り、予選で破った仁木拓人(三菱電機)も含め、格上の日本人に連勝。ここは第3シードの158位、33歳のベテラン添田に止めてほしいところだったが、4人目の餌食となってしまった。

 第1セットを3-6で落としながらも第2セットを奪い返して最終セットに持ち込んだが、5-5から致命的なブレークを許す。

「もうちょっとラリーになれば自信があったけど、最後まで崩れてくれなかった」と添田。シングルスで日本勢がベスト4に残れなかったのは、この大会12年ぶりのこととなった。

 週末に日本人が残るかどうかで大会の盛り上がりへの影響は大きい。「でも女子で島津の選手がたくさん残っているから」と冗談めかしたが、そう言いながらもダブルスで奮起した。

 内山とのペアはちょうど2年ぶりで、準決勝の相手はダブルス大国インドのペア、右利きのバラジと左利きのグネスワラン。添田/内山はワンブレークで第1セットを 奪うと、第2セットは両者キープでタイブレーク勝負に。ここも両者サービスキープが続き、6-6までの12ポイント中10ポイントがサービスのみでポイントを奪い合うという展開だった。

 拮抗を破ったのは添田のリターン。バラジのセカンドサービスをフォアハンドで絶妙のアングルに運んでリターンエースを奪った。「最近は無駄な力を抜いて、無駄な動きもなるべく省くように意識している」という添田が、緊迫した場面でその成果ともいうべき会心の一打を生み出した。

 最後は内山が力強いファーストサービスを叩き込むと、バラジのリターンがネットにかかり、2年前と同様に決勝へ進出。そのとき果たせなかった優勝なるか。相手はシングルスで内田を倒したトンプソンと24歳ルーク・サビル(オーストラリア)の豪州ペアだ。

テニスマガジン/ライター◎山口奈緒美

※写真はシングルス準々決勝で敗れた内田海智(富士薬品)
撮影◎真野博正

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