セレナの復帰に際し、「彼女のテニスは失われていない」とビーナスが発言

 ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)は彼女のウォームアップ・パートナーについて、いつもと同じように響く、戦力分析レポートを提供した。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)は戻ってきた。そして彼女のテニスは失われてはいない。

「彼女はパワー、深さを持っている。どうやってプレーするべきかを知っている」とビーナスは言った。

「ええ、すさまじいテニスの持ち主よ」

 ウイリアムズ姉妹は月曜日の夜、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた、8人の女子選手によるイベント「タイブレーク・テン」で、ヘッドラインを飾った。このイベントでは、すべての試合が通常のゲームとセットではなく、10ポイント先取のタイブレークで行われる。

 セレナは最初の試合で、2013年ウインブルドン・チャンピオンのマリオン・バルトリ(フランス)に勝ったが、準決勝ではジャン・シューアイ(中国)に敗れた。そして、このトーナメントはエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が、ビーナスとココ・バンダウェイ(アメリカ)を(17ポイント連取で)下して、それからジャンを10-3で倒し、25万ドルの賞金を受け取った。

 セレナは、初めての子供である娘のアレクシス・オリンピア・ジュニアを先の9月に出産して以来となるWTAツアーへの復帰準備を進める中、今年初のシングルス・マッチをプレーした。23度グランドスラム大会で優勝したセレナは、後にヴォーグ誌のインタビューで、出産後に肺の中にいくつかの小さな血栓ができたことを明かしていた。

 セレナは今年、試合自体をまだ一度しかプレーしておらず、その唯一の機会だった先月のフェドカップのダブルスでは、ビーナスと組んだペアで敗れていた。ツアーでのシングルスに関しては、決勝でビーナスを破って優勝した2017年オーストラリアン・オープン以来プレーしていない。

 セレナは、4年半の引退生活を経て復帰しようとしているバルトリを10-5で倒したが、準決勝ではジャンに11-13で敗れた。それでもふたたびプレーすることを大いに楽しんだというセレナは、将来に向けてワクワクしている、と言った。

「誰もが高い期待を持つべきだと思うわ」とセレナは敗戦後のオンコート・インタビューで言った。

「人は、ほかの誰もが信じていないときでさえ、自分自身を常に信じるべきなのよ」

 彼女のコーチは、間違いなく彼女を信じている。セレナが今週のインディアンウェルズ(BNPパリバ・オープン/WTAプレミア・マンダトリー)で復帰しようとしている今、コーチのパトリック・ムラトグルーは、WTATennis.comに、今季残り3つのグランドスラム大会に向け、大いに期待していると話した。

 彼は、練習でのセレナに以前と変わらない決意を見ているが、母となったことが彼女を変えたか否かについては、彼女が公式戦で戦うところを見るまではわからない、とも言った。

 ビーナスは、すでに何を期待すべきかを知っている。

「試合というのは、常にその人がどのくらいの位置にいるのかを知るためのよい手段だわ。でも明らかに、彼女はどうプレーすべきかを知っている」と、37歳にビーナスは言った。

「セレナはあの本能をコートに持ち込むでしょうね。だから、彼女がすごく心配しているとは私は思わない」

「タイブレーク・テン」は、オーストラリア、そしてヨーロッパでの5大会のあと、初めてアメリカで開催された。出場者の中には、ソラナ・シルステア(ルーマニア)、昨年引退したダニエラ・ハンチュコバ(スロバキア)もいた。

 世界4位と、出場者の中でもっともランキングが高かったスビトリーナは、2017年にツアー最多の5タイトルを獲ったあと、今季も年頭から力強い進撃を続けている。今季すでに2大会で優勝している彼女は、3-3からビーナスを引き離すため最後の7ポイントを連取し、それから、バンダウェイを10-0で片付けた。

「もちろん、今年最初の大会で優勝したことは、私にとって素晴らしいスタートだったわ」とスビトリーナは言った。

「オフシーズンにやった仕事を、試合のコート上に運び込み反映させるのは常に難しいものだから、これらの成績は私が正しい方向に進んでいるといういいサインであり、私は今年の序盤を通し、いいテニスをプレーできていることを本当にうれしく思う。ここから、私はただただ上に上っていくだけだわ」

 地元ニューヨークの出身であるバンダウェイは、MSG(マディソン・スクエア・ガーデン)でプレーするチャンスに飛びついた。彼女の祖父エルニー、現在NBAの幹部である叔父キキは、ふたりともかつてニューヨークに本拠地を置くNBAのチーム、ニューヨーク・ニックスでプレーしていた。

「長く考える必要はなかったわ。私のコーチ、パット・キャッシュ(オーストラリア)にこの時期に出場可能かと聞かれたとき、私は『ええ、出場可能にするから』と答えたの。だからほとんど考えることもなく、ふたつ返事だった」と彼女は言った。

 バンダウェイは、先月、北カリフォルニアで行われたフェドカップ・ワールドグループ1回戦の対オランダ戦でアメリカ・チームの一員として戦い、ウイリアムズ姉妹の双方がプレーするところを見て楽しんだ。ビーナスは2017年に2つのグランドスラム大会で決勝に進出し、ランキングのトップ5に復帰した。

 ビーナスがこのイベントで戦った月曜日の夜は、彼女が17歳のときにオクラホマ・シティで獲得した初のWTAタイトル獲得20周年記念日の、数日後に当たった。ウイリアムズ姉妹の存在ゆえに、彼女たちの登場以来、現選手を含めた多くの人々がテニスを始めたと言われている。ビーナスは、より多くの選手たちがこのフォーマットに興味を持ち、それをきっかけにテニスを始めるよう願ってもいた。

「もしそうなったら素晴らしいわ」と彼女は言った。

「より多くの人がテニスをプレーし始めるよう願っている。テニスは素敵なスポーツよ。すべての年齢の、すべての人にとって素晴らしいスポーツなの」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はセレナ・ウイリアムズ(中央)とビーナス・ウイリアムズ(右)、3月5日の「タイブレーク・テン」で撮影
NEW YORK, NY - MARCH 05: Serena Williams and Venus Williams of the United States talk with the Women's Olympic hockey team during the Tie Break Tens at Madison Square Garden on March 5, 2018 in New York City. (Photo by Elsa/Getty Images)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles