全米覇者スティーブンスが全仏覇者オスタペンコを破り、ビッグタイトル獲得 [マイアミ・オープン]
アメリカ・フロリダ州マイアミで開催された「マイアミ・オープン」(WTAプレミア・マンダトリー/3月20~31日/賞金総額864万8508ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝。
スローン・スティーブンス(アメリカ)はホームタウンの大会で優勝した30分後、キービスケーンから離れたくないとでもいうように、写真を撮りたがる者のためにポーズをとったり、ファンのリクエストに応じてサインをしたりしながら、紙吹雪で覆われたコート上に居残っていた。
マイアミ・オープンは引っ越すことになり、スティーブンスは土曜日の女子決勝でエレナ・オスタペンコ(ラトビア)を7-6(5) 6-1 で倒すことにより、この絵のように美しい小島の最後の女子チャンピオンになった。
南フロリダで生まれたスティーブンスは、ジュニア時代にはキービスケーンで練習し、フォートローダーデールのそばに住んでいる。彼女は来年、会場がマイアミ・ドルフィンズ・スタジアムに移ってしまう前に、この大会で優勝することを熱望していた。
表彰式でトーナメントディレクターのジェームズ・ブレイク(アメリカ)が移転について口にしたとき、ファンたちはブーイングをした。
第13シードのスティーブンスは、第6シードのオスタペンコがミスをおかすまで繰り返しラリーを長引かせ、ディフェンス力を駆使して勝利をつかんだ。オスタペンコはウィナーに関しては25対6でリードしていたが、アンフォーストエラーでスティーブンスの21本に対して48本と大きく上回った。
スティーブンスは昨年9月、USオープンで驚きのチャンピオンとなったが、それから、2018年の最初の2敗を含め、続く8試合で連敗した。しかし彼女は今大会でそのスランプを払い落とし、決勝戦での勝率を6戦全勝に向上させただけでなく、来週には世界ランク9位と、初のトップ10入りをも実現させた。
「信じられないわ」とスティーブンスは言った。
「スタート地点に戻るだけでもいいと思っていた。ここで優勝することなど予想していなかったわ。私はただ、自分のテニスを望んでいたところまで回復させたいとだけ願っていたの」
スティーブンスと、昨年の全仏チャンピオン、オスタペンコは、ほぼ必ずといっていいほどベースラインから戦い、プレーの質は頻繁にお粗末だった。ふたりは4ゲームにわたってブレークし合い、スティーブンスはキープすれば第1セットを取るというゲームで2度にわたってブレークされた。
流れが行き来したタイブレークで6-2とリードしながら、彼女はふたたびよろめき、アンフォーストエラーをおかしてポイントを連続で落とした。しかしオスタペンコは、簡単なバックハンドをネットに打ち込んでセットを落とし、それ以降は疲れてしまったように見えた。
スティーブンスは、第1セット後のコーチとの会話から実りを得た、と明かした。
「私はちょっとナーバスで、それがテニスに出てしまっていた」と彼女は言った。
「足が動かなくて、ボールをしっかり打ち抜くこともできていなかった。私はただ、タイトルを獲りたければ、思いきっていかなければならないのだということを思い出させてもらう必要があっただけなの」
スティーブンスは最後の6ゲームを連取し、その過程で、この試合最高のショットを決めた。オスタペンコがドロップショットを追って走りそれを強く打ち返したとき、スティーブンスは体を伸ばし、ベースライン近くでクロスコートのウィナーとなったフォアボレーを打ったのである。
このショットのおかげで5-1となり、マッチポイントでは、オスタペンコがフォアハンドをサイドアウトした。そしてスティーブンスは故郷の観客の喝采を浴びながら、両手の拳を上げ、勝利を祝った。
日曜日に行われる男子シングルス決勝では、第4シードのアレンクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と第14シードのジョン・イズナー(アメリカ)が対戦する。 もしもその対戦でイズナーが勝てば、彼はキャリア最大のタイトルを獲得するとともに、アンディ・ロディック(アメリカ)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が優勝した2004年以来の、アメリカ人による男女のダブル優勝が実現することになる。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はスローン・スティーブンス(アメリカ)
KEY BISCAYNE, FL - MARCH 31: Sloane Stephens of the United States shakes hands with Jelena Ostapenko of Latvia after the women's final on Day 13 of the Miami Open Presented by Itau at Crandon Park Tennis Center on March 31, 2018 in Key Biscayne, Florida. (Photo by Michael Reaves/Getty Images)
Pick up
-
2024-02-20
最先端のテニスコーナーにテニマガ編集部が潜入!
オーストラリアン・オープンのオフィシャルストリンガーブース
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2024-03-26
【ITテニスリーグ】アーシャルデザインが史上初、3連覇の快挙!
ITスポーツ連盟が主催する「第26回ITテニスリーグ」が3月
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Pick up
-
2024-02-20
最先端のテニスコーナーにテニマガ編集部が潜入!
オーストラリアン・オープンのオフィシャルストリンガーブース
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2024-03-26
【ITテニスリーグ】アーシャルデザインが史上初、3連覇の快挙!
ITスポーツ連盟が主催する「第26回ITテニスリーグ」が3月
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Ranking of articles
-
2024-04-12
大坂なおみが相手エースのプティンセバを倒して日本が初のファイナルズ進出に王手 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]
-
2024-04-13
青山修子/柴原瑛菜が代表戦9試合目で初黒星、日本は3勝1敗でカザフスタンに勝利 [ビリージーンキングカップ日本対カザフスタン]
-
2024-04-09
今年最初の国内ジュニア全国大会が開幕、男子の1回戦が終了 [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-11
大会3日目が終了、男子のベスト4が出揃う [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-12
大会4日目が終了、男女のファイナリストが出揃う [MUFGジュニア2024]