ブレングルがWTAとITFを起訴、血液検査のやり方について

 プロテニス選手のマディソン・ブレングル(アメリカ)が、月曜日にフロリダの法廷で、血管に針を刺して行われたアンチ・ドーピングの血液検査によって被った『肉体的、感情的影響』を理由に、WTA(女子テニス協会)とITF(国際テニス連盟)を起訴した。

「彼女が議論の的としているのは、アンチ・ドーピング・プログラムがあること自体ではありません。また、選手が、管理されたテストを常に受ける準備ができているようにすべきだということに物議を醸しているわけでもありません。そうではなく、それが医療的に適切なやり方で行われるべきだと言っているのです」とブレングルの弁護士であるピーター・ジンスバーグ氏は、電話インタビューに答えた。

「そして、それはプロテニスを管理している者たちだけでなく、テニスをプレーする者を考慮に入れたやり方で行われなければなりません」とジンスバーグ氏は言った。

「これは完全に管理者たちに支配されているシステムです。どの選手からの意見の採用もなく、選手のための考慮もまったくありません」

 被告人の中には、ITFのスチュワート・ミュラー、ITFのための薬物テストを実施しているスウェーデンの会社である国際ドーピング・テスト&マネージメント(IDTM)、IDTMのドーピング・コントロール・オフィサー、ジョン・スノーウェルも含まれる。

 WTAとITFのスポークスマンは、コメントのリクエストにすぐには答えなかった。 
 
 原告側の主張は、ブレングルが稀な体質と診断されていることを知っていながら無視したとし、「この体質のせいで彼女は、血管に針が差し込まれたことからくる痛みと苦しみ、感情的なトラウマ、一時的また永久的な肉体的な傷害を負うことになった」と主張する。

 また、「ブレングルは、もはや腕に通常の力を持たず、肉体的、そして感情的なダメージを生み出した心的外傷後障害に苦しめられている」とも言い添えた。

 原告側は、テストのやり方が問題だった大会として、2009年ウインブルドン、2016年オーストラリアン・オープン、ウインブルドン、USオープンを挙げている。

 またブレングルは、テストによる体の反応せいで、いくつかの大会に出場することができなかったと言った。

「彼女は血を提供することはできるが、血管に針を刺されることに耐えられないのです。彼女は指をピンで刺して血を提供することはできます。尿は提出しています」とジンスバーグは言った。

「彼女はテストを避けようとしているのではありません。彼女は針が血管に刺されることを避けようしているのです」

 今月28歳になるブレングルは、かつてシングルスで世界35位に至ったこともあったが、現在は83位だ。

 彼女のキャリア最大の勝利は、2017年1月のオークランドで、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)に対するものだった。ブレングルはまた昨年のウインブルドンで、同大会を2度制しているペトラ・クビトバ(チェコ)を倒していた。

 デラウェア州生まれでフロリダを拠点とするブレングルは、ここまでのキャリアを通して200万ドル以上を稼いでいる。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はマディソン・ブレングル(アメリカ)、2017年7月のウインブルドンでペトラ・クビトバ(チェコ)を破ったあと
LONDON, ENGLAND - JULY 05: Madison Brengle of The United States celebrates victory after the Ladies Singles second round match against Petra Kvitova of The Czech Republic on day three of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at the All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 5, 2017 in London, England. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

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