ナダルは故障完治の報告に慎重な態度 [ロレックス・モンテカルロ・マスターズ]


 世界1位のラファエル・ナダル(スペイン)は「ロレックス モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月15~22日/賞金総額523万8735ドル/クレーコート)のタイトル防衛に挑むにあたり、自分が煩わしい右腿の故障から完全に回復した、と口に出して言うことに慎重さを見せている。

【PR】DAZN 1ヵ月視聴無料|ITFフェドカップ準決勝&プレーオフ「イギリス対日本」ほか

 彼は繰り返し戻ってくる故障に、アカプルコ、そして先月のインディアンウェルズとマイアミのマスターズ2大会の棄権を強いられたあと、ごく最近、デビスカップでコートに戻ったばかりのところだ。

 これらの躓きは、マリン・チリッチ(クロアチア)に対する第5セットで途中棄権を強いられた、オーストラリアン・オープン準々決勝でのひどい失望に続くものだった。

 ナダルは、アカプルコでプレーに戻ることを予想していたが、アドリアン・マナリノ(フランス)との最後の練習セッションの間にふたたび故障が悪化した。

 日曜日に、そのときのことを振り返ったナダルは、プレーできるところまで回復したと確信していたために、アカプルコでの再発は精神的に「オーストラリアで起こったことよりも辛かった」と告白している。

「僕はすべてを適切な方法で行い、大会の準備を整えるために1週間前に練習を始めたんだけど、そのときに起きたんだ」とナダルは記者たちに言った。

「僕はもうアカプルコにいた。飛行機に乗ってメキシコまでわざわざ出向いたあとにね…。それから医師は僕に、『君はインディアンウェルズ、マイアミではプレーできない』と言ったんだ。受け入れるのが難しかったよ」

 そのあとの回復のプロセスは、痛々しいほど退屈なものだった。

「腰の筋肉は僕ができるすべての動きに影響を与えるので、どんな肉体的トレーニングもできなかった」とナダルは言った。

「何もしないでいることは好きじゃないから、本当に退屈な期間だった」

 しかし、先週末のデビスカップ準々決勝の対ドイツ戦で、1セットも落とさずに2つのシングルスに勝ったナダルは、まったく退屈していなかった。傍目からは、得意のクレーコートにまっすぐ戻ってきたかのように見えたが、アカプルコでの躓きがあっただけに、ナダルは慎重になっていた。

「2度起きているから、どうなるか決してわからないよ」と彼は言った。「もちろんそのことは頭のどこかに引っかかっている」。

 ナダルは、記録をさらに伸ばす11度目のモンテカルロ・タイトルを求める挑戦をまもなく始める。対戦相手はアルヤズ・べデネ(スロベニア)だ。彼が今大会で優勝しなければ、ロジャー・フェデラー(スイス)が世界1位の座を取り戻すことになる。ふたりはともに、ここ5つのグランドスラム大会を獲っており、うち3つはフェデラーが獲得している。

 しかし、グランドスラム大会を20度制したフェデラーは、ふたたびクレーコート・シーズンをスキップすることを決めた。ナダルは、フェデラーに対するこのところの5連敗の雪辱を果たす機会を、もう少し待たなければならない。

 親愛の情のこもったものとはいえ、ナダルはフェデラーにこういう言葉を投げている。

「彼はクレーでの5セットマッチで、もう一度僕とプレーしたい、と言っていた。だから彼がロラン・ギャロスでプレーするものだと思っていたけど」とナダルは微笑みながら言った。

「その数日後、彼はクレーでは1試合もプレーしないだろうと言った。だからそれには、ちょっぴり異議を唱えたくなるものがあるよ」

 昨年の優勝で、ナダルはオープン化以降の時代に同大会で10度タイトルを獲った史上初のプレーヤーとなった。そのあとに、彼はフレンチ・オープンでも10度目のタイトルを獲得した。

 太陽を映して輝く地中海に、のりだすようなセンターコートを持つ、絵葉書のように美しい景観のこの大会で、アットホームな気持ちを覚えているとナダルは言う。

 2003年----もじゃもじゃ頭の16歳の少年だった彼のキャリアを発進させたのが、このモンテカルロ・オープンだった。もっとも、その年の2回戦で彼がフレンチ・オープンのディフェンディング・チャンピオン、アルベルト・コスタ(スペイン)を照明の下で倒したとき、太陽はずっと前にすでに沈んでいた。

「ここに来るといつもいい気分になる」とナダルは言った。「ここまでずっと相愛のラブストーリーだった」。

 今大会の決勝でナダルが敗れたのは、2013年にノバク・ジョコビッチ(セルビア)に相対したときだけだ。ジョコビッチは全盛期だった2015年にも、もう一度優勝を遂げていた。

 しかし、元世界1位のジョコビッチは今、かつての自分の影を見ている。しつこい右肘の故障に行く道を阻まれ、現在の彼は13位にまでランキングを落としている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)
MONTE-CARLO, MONACO - APRIL 15: Rafael Nadal of Spain speaks to the media during an interview session during day one of ATP Masters Series: Monte Carlo Rolex Master at Monte-Carlo Sporting Club on April 15, 2018 in Monte-Carlo, Monaco. (Photo by Julian Finney/Getty Images)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles