「子供の頃から対戦してきた最高の関係」ガスケとの3回戦を見据えるナダル [フレンチ・オープン]

「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月27日~6月10日/クレーコート)の男子シングルス2回戦で、ディフェンディング・チャンピオンで第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)がスザンヌ・ランラン・コートでギド・ペラ(アルゼンチン)を6-2 6-1 6-1のストレートで倒し、3回戦に進出した。

 ナダルは3回戦でリシャール・ガスケ(フランス)と対戦することになった。これは2人の旧友のロラン・ギャロスでの再会になる。ひとりはテニス界のビッグスターとなり、もうひとりはその陰に隠れる存在となった。

 ともに現在31歳の2人は、お互いのことを思春期前から知っている。

「彼とはいつも最高の関係だ。子供の頃から対戦してきた。初めて会ったのは12歳のときさ」とナダルは懐かしそうに話した。

 当時、多くの関係者はガスケがとてつもない選手になると予想していた。1983年のフレンチ・オープンを制したヤニック・ノア(フランス)以来、フランスからは長年スターが不在だった。そんな中、早熟のガスケが登場し、その美しいショットで大きな期待を背負うことになった。

 フランスの雑誌では、9歳のガスケを表紙にして“長年フランスが待ちわびていたチャンピオン”のキャッチフレーズとともに掲載された。

 ベテランの域に達したガスケは、当時はプレッシャーと向き合うのに苦労したと語っている。12歳から14歳の選手で争われる「レ・プティ・アース」という大会ではナダルを倒したガスケは、プロになってからは15回もツアーで顔を合わせているが、一度も勝っていない。

 ガスケがもっとも勝利に近づいたのは、2005年のモンテカルロ準決勝。フルセットの激しいバトルの末に敗れた。

「あの試合は特別なものだった。当時、僕らは新世代を代表する選手だった。彼のほうが少し優勢だったと思う。フランス・テニス界未来のスター候補だったからね。だからこそ、その試合は大いに注目されたんだ」とナダルは振り返る。

 現在、どちらの選手が優れているのか、疑問の余地はない。木曜日にストレートでペラに勝利したナダルは、ロラン・ギャロスでの通算成績を81勝2敗とした。

 2015年の準々決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れて以来、ナダルはロラン・ギャロスでひとつもセットを落としていない。2016年はいくつか勝利を重ねたあとに、左手首の負傷で棄権、昨年はひとつもセットを落とさずに優勝した。今年のペラ戦では4つのブレークポイントがあったが、そのすべてをしのいでいる。

 今季、ナダルはクレーコートで一度しか負けておらず、モンテカルロ、バルセロナ、ローマで優勝。それでもまだ、自分のプレーに改善の余地があるという。

「正直に言うと重要な部分はいつも、よりよくしようと練習している。例えば今日の試合では、バックハンドで効果的にオープンコートをつくれなかったから、明日の練習ではその課題に取り組むつもりだ」

 ガスケは2回戦でマレク・ジャジリ(チュニジア)を6-2 3-6 6-3 6-0で倒し、8年連続で3回戦進出を決めた。ナダルとの対戦は、かなり大きなチャレンジになる。

「今でも“当時はナダルと比較されていたよ”と言うことができる。すごく厳しい、複雑な試合になるのはわかっているけど、それでも楽しみたいと思う」とガスケは抱負を述べた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は2回戦でストレート勝利のラファエル・ナダル(スペイン)(撮影◎毛受亮介)
 

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles