フランス・パリで開催されている「フレンチ・オープン」(5月27日~6月10日/クレーコート)。

 新進気鋭のマクミリアン・マルテレル(ドイツ)に対する6-3 6-2 7-6(4) のスコアをもって、ラファエル・ナダル(スペイン)は、またもフレンチ・オープンで勝利を刻み、またも記録を塗り替えた。ナダルはグランドスラム大会での勝利数の記録で、ジミー・コナーズ(アメリカ)を追い抜いたのだ。

 コナーズの233勝に対し、ナダルは234勝となった。

 グランドスラム大会で244勝を挙げているノバク・ジョコビッチ(セルビア)、332勝のロジャー・フェデラー(スペイン)のみが、彼より上を行っている。しかし、実現すれば記録更新となる11番目のフレンチ・オープン・タイトル獲得への進撃において、ナダルが気にかけている数字はスコアボード上のそれだけのようである。

 将来性を感じさせるプレーを見せた22歳、マルテレルを倒すことによって、ナダルはツアーでの通算成績900勝目を挙げたのだが、彼はそのことをまったく意識していなかったらしいのだ。

 そのような数字はナダルの頭の中でそう重要なことではないかもしれないが、それは、日曜日に32歳になったこのスペイン人の印象的な長寿のキャリアと、勝利の一貫性を図るよい物差しとなる。

「僕は自分が年をとっているとは感じていない。でも僕は32歳で、2003年あたりからここに来ている。だから長い道のりであり、多くの年月が過ぎ去った。僕はすごく若くして始めたからね」とナダルは言った。

「正直言って、僕はいまツアーの1日1日を楽しんでいて、もう少しの間これを続けたいと願っているんだ」

 ナダルの次の相手は、第11シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)だ。シュワルツマンはロラン・ギャロスで、彼にとって初めての準々決勝を戦う。ナダルにとっては、これが12回目の準々決勝となる。

 プロ化以降の時代で、ナダルと同等に多くの経験をした唯一の選手でもあるジョコビッチは、彼の12回目のフレンチ・オープン準々決勝を、マルコ・チェッキナート(イタリア)に対してプレーする。

 そして、もう一つの準々決勝は、そろって元USチャンピオンである第3シードのマリン・チリッチ(クロアチア)と第5シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)の顔合わせとなった。

 1月のオーストラリアン・オープンで準優勝したチリッチは、4回戦でファビオ・フォニーニ(イタリア)に対して2セットを先取し、楽々と進んでいたように見えていた。だが、追い払うのが容易ではないこのイタリア人は、マッチポイントさえをしのいで、続く2セットを取った。第3シードのチリッチは、最終的に6-4 6-1 3-6 6-7 (4) 6-3で勝利をつかんだのだ。

「クレイジーな試合だった」と、昨年もベスト8に至っていたチリッチは言った。

「僕はぎりぎりのところで持ちこたえていた。ほんの2、3のわずかなポイントが勝敗を分けた」

 チリッチの次の対戦相手であるデル ポトロは、第9シードのビッグサーバー、ジョン・イズナー(アメリカ)に対し、よりすっきりした6-4 6-4 6-4の勝利をおさめた。

 イズナーは12本のサービスエースを決めたが、「U-S-A! U-S-A!」という観客からの声援にもかかわらず、2003年のアンドレ・アガシ(アメリカ)以来となるアメリカ人の準々決勝進出者となることはできなかった。

「僕は、かなりはっきりとやられてしまった。もっといい戦いができたらよかったのに、と思うよ」とイズナーは言った。

 一方、マルテレルは、ナダルに対して戦いを挑んでいた。ナダル同様に左利きの彼は、ナンバーワンのナダルの69位下におり、これ以前にグランドスラム大会に3度目しか出場したことがなく、初めてのフレンチ・オープンを戦っていた。彼はその試合で、今後さらにいい活躍をし得るテニスを持っているところを示して見せた。

 ナダルが非常に頻繁に勝利を挙げてきたフィリップ・シャトリエ・コートの上で、マルテレルは前年度覇者の最初のゲームをブレークした。ナダルは15-40からダブルフォールトをおかし、神経質になった初心者のように見えていたのだ。しかしナダルの法則――パリのレッドクレー上では事実上無敵という書かれていない理論――は、迅速に優位性を取り戻した。

 ナダルが2005年に最初のタイトルを獲って以来、何年にもわたり非常に多くの選手たちがそうだったように、マルテレルは記者会見場で記者たちに、ナダルと対戦することはどのような感じがするものなのかを説明する羽目になったのだった。

「彼がフォアハンドを本当にヘビーに打ってきたら、もちろん1年を通して対戦している、ほかのどの相手とも違うよ」とマルテレルは言った。「最後には、より強い選手が勝ったんだよ」。

(APライター◎ジョン・レスター)(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)(撮影◎毛受亮介)

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