フランス・パリで開催された「フレンチ・オープン」(5月27日〜6月10日)の最終日、男子シングルス決勝。

 ドミニク・ティーム(オーストリア)は、2005年にラファエル・ナダル(スペイン)が初めてグランドスラム大会決勝に進出し、最初のフレンチ・オープン優勝を遂げたとき、テレビの前に座ってその様子を見ていたことを憶えている。ティームは当時、11歳だった。

 日曜日にティームは、今度は自分がフィリップ・シャトリエ・コートにいて、初めてのグランドスラム大会決勝に進出し、その同じナダルとショットを交わし合っていた。彼は第1セットの大部分でついていっていたが、そこからナダルが引き離し、6-4 6-3 6-2の勝利とロラン・ギャロスでの11番目のタイトルをもぎ取った。

「ソファで彼を見ているほうが楽しかったよ」とティームは微笑みを浮かべて言った。

「実際、彼がここで勝った最初の4、5回の際には、いつも見ていたんだ。もちろん僕がここまで道を切り開いて、決勝で彼と戦ったというのは本当に素晴らしいことではある」

 しかし、スリルこそあれ、ティームは心から欲していたトロフィーを手に入れることができなかった。

「もちろん、僕はがっかりしている。これは決勝だ。僕は本当に勝ちたいと思っていた」と24歳のティームは言った。

「僕は全力を尽くしたが、今日は敗者となってしまった。だから最終的には、最高の日ではなかった」

 ティームが決勝に戻ってきて、別の成績を挙げるところを直に目にすると予想している、とナダルは言った。

「間違いなく」とナダルは試合後に言った。「ここ数年のうちに、君はここで優勝するだろう」。

 第7シードのティームは、グランドスラム・タイトルを獲った史上2人目のオーストリア人になろうと努めていた。トーマス・ムスター(オーストリア)が、1995年のフレンチ・オープンで優勝していたのだ。

「これが僕にとって最後のグランドスラム決勝ではない、ということには確信を持っている」とティームは言った。

「それが僕の最大のゴールだ。次のグランドスラム決勝へ行き、今日よりもいい成績を挙げるということが」

 ティームは以前にも、この目標の近くまで迫っていた。彼は昨年(対ナダル)と、2016年(対ノバク・ジョコビッチ)に、パリの準決勝で敗れていたのだ。

 そして日曜日に乗り込んできたとき、少なくとも、ティームが決勝で興味深いことをやってのける可能性はあると信じる理由はあった。彼は結局のところ、ここ2シーズンで毎年、クレーコート上でナダルを倒した唯一のプレーヤーだったのである。

 ナダルはその期間でのクレーコートでの戦績を50勝2敗とした。この2つの黒星は、2017年ローマと、先月のマドリッドでの、対ティーム戦で起きたものだ。

 序盤にブレークし合ったあと、ナダルが試合の手綱をぐいと引き寄せたのは、第1セット4-4となったときだった。自分のサービスをキープして5-4としてから、ティームがアンフォーストエラーを連発した中、ブレ―クに成功してセットを取った。

 それが、ナダルを発進させた5ゲーム連取の始まりだった。ところがティームは、ほかの皆の目にそう映っていたように、第1セットの終わりの緩んだ1ゲームが決定打だった、とは思っていなかった。

「確かに何本か、きわどいボールをミスした」と彼は言った。「ひどいミスだった。でもそれは間違いなく、ターニングポイントではなかった」。

 たぶん…ナダルからの膨大なプレッシャー下におかれたティームは、ミスを積み上げた。彼は総じて42本ものアンフォーストエラーをおかし、対するナダルは24本だった。また、ティームは37本のフォーストエラー(相手に強いられたミス)をおかし、ナダルは21本だった。おそらく精神的なものがティームのパフォーマンスの要因だっただろう。そして間違いなく、ナダルがそこである役を演じていた。

「すぐにまた、グランドスラム大会の決勝でプレーするというのが、僕にとって大きなゴールだ」とティームは言った。

「もちろん次には少し楽になるだろう。もう初めての経験ではなくなっているわけだからね」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はラファエル・ナダル(スペイン)と決勝を争ったドミニク・ティーム(オーストリア/手前)(撮影◎毛受亮介)

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