新ウェア「ユニクロ」で登場のフェデラーが、ウインブルドンでは見慣れた圧倒ぶりで勝利

「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月2~15日/グラスコート)の大会初日、男子シングルス1回戦。

 新しい出で立ち。しかしかつてと同じ、ウインブルドンでの圧倒的強さ。ウインブルドンを8度制した男、ロジャー・フェデラー(スイス)は、オールイングランド・クラブのセンターコートでドゥサン・ラヨビッチ(セルビア)を79分のうちに6-1 6-3 6-4で倒し、タイトル防衛に向けての進撃をさっそうと始めた。

 ラヨビッチは最初のゲームでサービスをキープしたが、58位のセルビア人にとっては、それが精一杯だった。フェデラーは続く9ゲームを立て続けに取り、試合の残りで主導権とコントロールを握り続けた。

 36歳のフェデラーは、一度も相手にブレークポイントを与えず、彼をウインブルドンでもっとも成功をおさめた男にならしめた、多彩なショットのレパートリーを披露した。

 フェデラーについてもっともいつもと違っていたのは、彼の服装だった。彼は、キャリアを通しての長いナイキとのパートナーシップを終えたあと、初めてユニクロのウェアを着て登場した。しかし明らかに、それは彼のテニスには何の影響も与えていなかった。

「すぐにアットホームな感じを覚えた。本当にいいフィーリングだったよ」とフェデラーは言った。

「各セットの早い段階でブレークすることができ、そのまま押し切ることができた。ポイントごとに集中した、自分の集中力に関してもうれしく思う」

 フェデラーはオールイングランド・クラブで記録更新となる9度目のタイトルを目指すが、彼が歴史を刻むにはコートに足を踏み入れるだけで事足りる。彼はオープン化以降の時代に、20大会連続でウインブルドンに出場した最初の男となった。

 コートから降りる前に、彼は観客席の中の若い女性ファンにヘッドバンドをプレゼントし、2週間が終わる前にもっと多くのヘッドバンドをあげられるとジョークを言った。若い女性は、『あなたのヘッドバンドをもらえますか。お願い!』と書かれたサインを掲げていたのである。試合後の記者会見では、彼女の願いを叶えたからには、今後の試合でより多くのリクエストが予想されるとの指摘が出た。

 そして彼は見たところ、恩恵を施す準備があるようなのだ。

「ああ、彼らは、時計、自動車、ラケット、シャツを欲しがっている。彼らはすべてをもらえるよ」とフェデラーは冗談まじりに言った。

 昨年の準優勝者で第3シードのマリン・チリッチ(クロアチア)もまた、日本の西岡良仁(ミキハウス)に6-1 6-4 6-4で勝ち、問題なく2回戦に駒を進めた。

 チリッチは21本のサービスエースを決め、合計44本のウィナーを記録し、1時間46分で勝利を決めた。反対に西岡は、サービスエース1本にウィナーは6本にとどまった。

 昨年の準決勝でチリッチに敗れた第11シードのサム・クエリー(アメリカ)はこの日、ジョーダン・トンプソン(オーストラリア)を6-2 6-4 6-3で破り、同様に快適なスタートを切った。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はロジャー・フェデラー(スイス)(撮影◎小山真司)

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