イギリス・ロンドンで開催されている「ウインブルドン」(7月2~15日/グラスコート)の大会5日目。

 ステファノス・チチパス(ギリシャ)は、ギリシャ・テニスのために新しいスタンダートを設置した。そして彼は、母国の人々が間もなくそれに気づくよう願っている。

 金曜日のウインブルドンで、予選勝者のトーマス・ファビアーノ(イタリア)を91分のプレーのあとに6-2 6-1 6-4 で倒したとき、チチパスは、ここ50年のプロ化以降の時代にグランドスラム大会で4回戦に至った初のギリシャ人となった。彼は一連の活躍で、テニス界における若き才能のトップの一角として、そのステータスをさらに高めて見せた。

 彼は、1964年のニコラス・カロゲロポウロス(ギリシャ)以来となる、ウインブルドンでベスト16に進出したギリシャ人だ。

「驚くべき感慨だ。僕は自分がギリシャを代表していること、すべてのハードワークが実ったことを、とても誇りに思っている」とチチパスはコメントした。

「(プロ化以降の時代に)そうすることができた最初の男となれたというのは、素晴らしい気分だよ」

 ギリシャは、オリンピックを創設した時代からくるスポーツの伝統を誇っている。しかし、テニスはこれまで一度も人気スポーツとなったことはなく、サッカーやバスケットボールのような、より人気の高いスポーツの陰に潜み続けてきた。

「まだ文化の一部ではない。人々は、他のスポーツのようにテニスをシリアスに受け取っていないんだ」とチチパスは言う。

 もし、それを変えることのできる者がいるとすれば、それはチチパスに違いない。彼は華やかな傾向を持つそのプレースタイルで、迅速にウインブルドンの観客のお気に入りとなった。

 彼はグラスコートでショットに飛びつくこうとする際の、体をフルに伸ばしたダイビングで知られるようになった。彼はジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)との2回戦で、そんな風にして1本ウィナーを奪っていた。ロジャー・フェデラー(スイス)さえが、彼のファンなのである。彼は昨年のウインブルドンで、この若いギリシャ人と練習していた。

「彼は昨年のここでの試合以来、大きな前進の歩を踏んだと僕は感じている。彼は、ネットに出てくることに、より心地よさを感じるようになってきているようだし、ベースラインプレーでいつパワーを使い、いつ繊細な技を使うかを理解しているように見える」とフェデラーは言った。

「それは片手打ちバックハンドを打つプレーヤーにとって、常にカギなんだ」

 チチパスは次のラウンドで、第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)と対戦する。世界ランク98位のラドゥ・アルボット(モルドバ)を6-3 6-3 6-4を倒したイズナーもまた、初めてウインブルドンの4回戦に進出した。

「(チチパスは)間違いなく、今の我々がテニス界に擁する最高の若手プレーヤーの一角だ」とイズナーは言った。

「彼は多くの才能と、多くの能力を備えている。でも、経験値は僕の武器だよ」

 ギリシャのティーンエイジャーは、1980年代にソビエト連邦のトッププレーヤーだった母ジュリアの才能を受け継いでいる。

 そしてその才は、彼の兄弟にも遺伝している。彼の弟ペトロスとパブロスは、将来を嘱望されたジュニアだ。つまりギリシャは、グランドスラム大会で勝ち上がる他の選手を、さらに50年も待たなくていいかもしれないのだ。

「ギリシャから、いい成績、そして注目を集める選手が出ることで、ギリシャにも有能なテニスプレーヤーがいるんだということを証明できると思う。そういった選手が、子供たちにインスピレーションを与えることができると思うんだ」と彼は言った。

「若い子供たちが、より外に出て、サッカーやバスケットボールの代わりに、(テニスなど)他のスポーツを選ぶようになり得るはずだよ」

 チチパスは、自分がそのための役目を果たせればと願っている。

「メディアは、こういったことに大きなインパクトを与えることができる。そして、選手はひとりのスポーツマンとして人々の前に出ていき、ギリシャでテニスを大きなものにする最初の人物となることができるはずなんだ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はステファノス・チチパス(ギリシャ)
LONDON, ENGLAND - JULY 05: Stefanos Tsitsipas of Greece celebrates after defeating Jared Donaldson of the United States in their Men's Doubles first round match on day four of the Wimbledon Lawn Tennis Championships at All England Lawn Tennis and Croquet Club on July 5, 2018 in London, England. (Photo by Matthew Lewis/Getty Images)

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