「デル・テクノロジーズ名誉の殿堂オープン」（ATP250／アメリカ・ロードアイランド州ニューポート／7月16～22日／賞金総額62万3710ドル／グラスコート）のシングルス決勝で、スティーブ・ジョンソン（アメリカ）はタイトルをつかむことにより、今年の成功と復活への長い歩みを継続させた。

　28歳のジョンソンは、決勝でランクマー・ラマナサン（インド）を7-5 3-6 6-2で倒し、今季2つ目、キャリア4つ目のツアー・タイトルを獲得した。

　試合が終わったとき、ジョンソンは天を指さし、拳を突き上げてから、コートの奥の角まで出向いていくと、コーチのクレイグ・ボイントンを抱擁した。

「彼は、僕が200位でチャレンジャーの1回戦で負け、テニスを続けることに問いを投げているときに僕を見てくれていた人だ。そして今、彼は僕がATPツアーでタイトルを獲るところを目にしている」とジョンソンは言った。

「高みとどん底----彼はどんなときにもいっしょにいてくれた」

　世界48位として大会を始めたジョンソンは、今年初めにヒューストンで獲得したタイトルにこれを加えた。昨年、父スティーブを心臓発作で亡くしたジョンソンにとって、これはよい立ち直りの一歩だった。ジョンソンが大学に行くまで彼のコーチだった父は、彼が出場するすべての大会に旅し、彼のプレーを見てきた人だった。

「ここ数年は、心を動かされる出来事があった」と彼は試合後のオンコート・インタビューの際に観客に向かって言った。

　2016年に21位に至っていたジョンソンが、月曜日には34位に上昇することになる。25位以内に食い込めるか、と聞かれた彼は、「前にもやったことがある」と答えた。

　ジョンソンは第3セットの第2ゲームで、フォアハンドクロスのウィナーをたたき込むことにより、ラマナサン のサービスをブレークした。

　23歳のラマナサンは、「スティーブは今日、何本かのいいフォアハンドを打ち込んできた。彼がベストだった」と言った。 ラマナサンは、ツアー初優勝を目指していた。

「彼は第3セットでいいプレーをした。彼は僕より上だったよ」

　第3セットで2-0とリードしたジョンソンは、 ラマナサンが触るのがやっとだった強力なサービスによってゲームを締めくくった。4-2とリードしているとき、ジョンソンは自分に向かって「集中！」と叫び、それから第7ゲームを終わらせた。

　午後は豪雨という天気予報を考慮し、試合は前日、もともとの開始予定時間15時から、11時開始に変更された。しかし結局、午前に大雨が降ったため、試合は13時から始まった。もやがかかり、風の強いコンディションの中でのプレーとなった。

「試合の大半で、もやがかかり、雨も降っていたが、試合を止めるほどひどくはなかった」とジョンソンは言った。彼は第2セットの第1ゲームでボールを返球するためダイビングをして右肩を痛め、少しあとにメディカル・スタッフを呼んでいた。

　ジョンソンがダウン・ザ・ラインにフォアハンドのウィナーをたたき込み、この試合3度目のブレークを果たしたとき、試合に終止符が打たれた。もうひとつのブレークは、第1セットの第11ゲームで起きていた。(C)AP（テニスマガジン）

※写真はスティーブ・ジョンソン（アメリカ）、準決勝で撮影
NEWPORT, RI - JULY 21: Steve Johnson (USA) returns to Marcel Granollers (ESP) during their semifinal match of the Dell Technologies Hall of Fame Open at the International Tennis Hall of Fame in Newport, Rhode Island on July 21, 2018. Johnson won the match 6-3, 6-3 and advanced to the final. (Photo by Andrew Snook/Icon Sportswire via Getty Images)