マレーが腰を試しつつカムバック、フルセット勝利に喜び [シティ・オープン]
アメリカ・ワシントンDCで開催されている「シティ・オープン」(ATP500/7月30日~8月5日/賞金総額214万6815ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦。
アンディ・マレー(イギリス)は叫び、また叫び、荒々しくこぶしを突き上げた。それが、ごく最近、世界100位に入ったばかりの経験の浅い相手に対する単なる1回戦での勝利だということを考えれば、かなり大きなリアクションだった。
それでもマレーにとって、それは大きな意味のある勝利だったのだ。それは、手術で修復した腰のテストであり、彼は錆びつきと劣勢に打ち勝って、1年半近い不在のあとにハードコートでの試合に勝った。
ワシントンDCで復帰を果たしたマレーは、1回戦でマッケンジー・マクドナルド(アメリカ)を3-6 6-4 7-5で倒した。
「この試合を勝ち抜くことを楽しんだ。言うまでもなく、勝利を祝うジェスチャーを見ればわかったと思うけど」とマレーは雨による遅れのため夜の10時過ぎに始まり、深夜0時45分に終わった試合のあとにこう言った。
「この試合を切り抜けることができて本当によかった」と彼は続けた。「でも実際のプレー内容、この試合での自分の仕事ぶりについては、満足していないけど」。
マレーが現在どんな状態にいるのかを正確に映していた時間帯があった。彼は、1月の手術から回復し、戦いの中にふたたび戻っていこうと奮闘している男なのだ。特に、最終セット5-4からの自分のサービスで手にした5つのマッチポイントのどれひとつも、ものにできなかったときには、その苦闘ぶりが見てとれた。しかし、彼は7本目のそれをものにした。
マレーは元世界1位であり、ウインブルドンで2度、USオープンで1度優勝した。しかし、今の彼は非常に長くツアーから離れていたせいで、世界ランキングは832位まで落ちた。腰の故障のため、昨シーズンの後半を完全に棒に振り、今年も6月まで大会に出場していなかった。
この試合は、マレーにとって2018年にプレーした4試合目に過ぎない。
次の5試合目…2回戦の相手は、カイル・エドマンド(イギリス)となる。エドマンドは、マレー不在の間に彼を追い抜き、イギリス・ナンバーワンとなった男だ。マレーが復帰の最初の一歩を試みた6月のイーストボーンで、彼をストレートで倒した男でもある。
「間違いなく、今回はよりよいテニスをしなければならない」とマレーは言った。
マレーは、ベスト・オブ・5セットマッチを戦うには、「腰の回復の過程で、まだ時期尚早かもしれない」と言いつつ、7月1日にウインブルドンからの棄権を決めていた。
この日のマレーはブレークを果たして2-0とリードし、最初の10分はいい形でプレーしていた。しかしその後、かなりの長さにわたり、多くのショットをミスし、6回のダブルフォールトーーそのうち2回は連続でおかし、第2セットで1-2とブレークされたーーお粗末なプレーに陥った時間帯を通り抜けた。
NCAAの男子シングルス優勝者である23歳のマクドナルドは、今月のウインブルドンで4回戦に進出という、グランドスラム最高成績をおさめたばかりのところだった。そのおかげでトップ100位内に入り込んだ彼は、現在80位につけている。
マクドナルドは、ある時間帯で7ゲームのうち6ゲームを取り、自身のサービスをキープすれば勝ち、という状態まであと1ポイントと迫っていたが、最終的にマレーが舵を正し、雨が戻ってくる前に、試合に終止符を打った。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はアンディ・マレー(イギリス)
WASHINGTON, DC - JULY 30: Andy Murray returns a dives for a shot from Mackenzie McDonald during the Citi Open at the Rock Creek Tennis Center on July 30, 2018 in Washington, DC. (Photo by Mitchell Layton/Getty Images)
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Pick up
-
2024-04-22
予約開始『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)5月3日発売!テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2023-10-30
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「あなたは必ずゲームがうまくなる! [ドリル編]」(堀内昌一著)
「テニス丸ごと一冊 戦略と戦術」シリーズの第4巻、テーマは「
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)2月5日発売
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2023-06-13
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ テニス』(宮尾英俊著)好評発売中!
『ライバルに差をつけろ!自主練習シリーズ』のバレーボール、バ
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
-
2023-04-03
『テニスの心理学~“心”技体を鍛えてメンタルタフになれ!』(佐藤雅幸著)
Tennis Magazine extraシリーズの最新刊『
Ranking of articles
-
2024-04-21
ルードが2大会連続決勝進出、相手は前週敗れたチチパス「明日はキャリア最大のタイトルを目指す」 [バルセロナ・オープン]
-
2024-04-15
トップシードを守った内田海智が2021年10月以来のITFツアー9勝目 [M15キロタ]
-
2024-04-13
2024年最初の国内ジュニア全国大会は鈴木琉斗(神奈川/慶應義塾高校)と上村睦実(愛知/名古屋LTC)が優勝 [MUFGジュニア2024]
-
2024-04-14
18歳の石井さやかがITFツアー初優勝、プロ転向後の初タイトルを獲得 [W35富士薬品セイムス ウィメンズカップ]
-
2024-04-17
2022年フレンチ・オープン以来となるクレーコート大会参戦の大坂なおみは初戦敗退 [WTAルーアン]