マレー敗退で、フェデラーの道がまた切り開かれる [ウェスタン&サザン・オープン]

 アメリカ・シンシナティで開催されている「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月12~19日/賞金総額633万5970ドル/ハードコート)の男子シングルス1回戦で、 アンディ・マレー(イギリス)がルカ・プイユ(フランス)に1-6 6-1 4-6で敗れた。

 これによって、このUSオープン前哨戦で、またもロジャー・フェデラー(スイス)にとっての障害物がひとつ取り除かれたようだ。

 第1シードのラファエル・ナダル(スペイン)がトロントで今年5つ目のタイトルを獲得したあと、USオープンに向けて準備を整えるため、体を回復させたいと、日曜日の夜にシンシナティへの出場を取り消していた。

 第2シードのフェデラーは、シンシナティで大会史上最多の7度優勝した過去を持つが、優勝した2015年以降はプレーしていなかった。2016年の彼は膝を故障しており、2017年には背中に問題を抱えていたためだった。

「シンシナティは常に僕にとっていい大会だった」とフェデラーは言った。「昨年ここでプレーできなくて悲しかった。2年前には、(故障がひどく)運がなかった。戻ってこられてうれしいよ」。

 世界1位のナダルは不在だとはいえ、フェデラーは、特にマレーや、やはり故障から見事な復帰を果たしたウインブルドン優勝者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)など、強豪が顔をそろえている点を気に入っていた。腰の故障で11ヵ月大会に出場できなかったマレーは、2週間前のワシントンDCで準々決勝に進出した際に、復帰後としては最良となる成績をおさめていた。

 フェデラーはマレーの試合が終わる前に、「エキサイティングでいいドローだ」と言い、「ラファがプレーしないのは残念だ。彼がいれば、ドローがより質の高いものとなっただろうから」。

 前年度覇者で今回第5シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)は、ナダル不在にそれほど心を乱されてはいなかった。

「ラファがいないとき、彼がいないことを寂しいとか残念とか思うのは、プレーヤーというよりファンたちだよ」と彼は言った。

「まあ冗談は別にして、僕は彼と時間を過ごすこと、彼といっしょに練習すること、彼とプレーすることが好きだよ。彼とプレーしたくないと思う選手は多々いるだろうが、僕は違うね」

 本戦初日の月曜日に行われたそのほかの1回戦では、錦織圭(日清食品)がアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を7-5 6-3で倒した。また、第13シードのパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)がリシャール・ガスケ(フランス)を6-3 2-6 6-3で、デニス・シャポバロフ(カナダ)はワイルドカード(主催者推薦枠)で出場のフランシス・ティアフォー(アメリカ)を7-6(6) 3-6 7-5で退けた。

 同じくワイルドカードのスタン・ワウリンカ(スイス)は第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-2 4-6 6-3で破ったが、第9シードのジョン・イズナー(アメリカ)は同胞のサム・クエリー(アメリカ)に4-6 7-6(5) 6-7(5)で敗れた。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はアンディ・マレー(イギリス)とルカ・プイユ(フランス/手前)
MASON, OH - AUGUST 13: Andy Murray of Great Britain shakes hands with Lucas Pouille of France after losing in three sets during Day 3 of the Western and Southern Open at the Lindner Family Tennis Center on August 13, 2018 in Mason, Ohio. (Photo by Rob Carr/Getty Images)

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