不在のトップ2を追え! 14歳以下男子は水口翔瑛、女子は光崎澪が優勝 [全日本ジュニア]
「DUNLOP SRIXON 全日本ジュニアテニス選手権 '18 supported by NISSHINBO」(大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター、江坂テニスセンター/8月8~17日/ハードコート)の大会9日目は、靱会場で14歳以下の男女シングルス決勝が行われた。
男子決勝は水口翔瑛(関西/テニスプラザ尼崎)と山田矢音(関東/桜田倶楽部)のトップ2シード対決となった。水口が「スピードよりもコースと球種」を考えながら、サービスから優位な展開に持ち込み、相手のサービスでもリターンから積極的に攻めていく。いきなり4ゲームを奪い、主導権を握った。
だが、「リードして力が入ってしまった」と水口の心境の変化を山田が見逃さず、思いきった攻撃を繰り返し、3ゲーム連取で迫った。追い上げた山田もそこで「これを取ったら追いつく」とこちらも力んでしまい、甘くなったところを打ち込まれてしまう。結局、水口が6-3で第1セットは逃げ切った。
第2セットも似た展開で、水口が最初に4ゲーム連取。山田も同じように粘るが追いつけず、6-3で水口が優勝を決めた。「ワールドジュニアの代表に選ばれずに悔しかったけど、ここで優勝したかったのでうれしい」と水口は喜びを噛みしめた。
山田も「ジョーンズ(怜音)君、森田(皐介)君がいなかったけど、今まではベスト4が最高だったので、決勝まで来られたのはよかった」と不在だったこの世代のトップ2を意識する言葉を残した。今後も海外経験が豊富な2人に彼らが迫れるか、注目される。
女子は第3シードの光崎澪(東海/h2エリートTA)と第7シードの麻坂芽生(関東/フミヤエース市川TA)が激突した。麻坂は準々決勝で第4シードの早重果波(関東/あじさいMTCアカデミー)、準決勝で第1シードの石井さやか(関東/Team REC)を倒し、勢いに乗っていた。
第1セットは麻坂が光崎の独特のバックハンドに苦しみ、ネットに何度も打ち込んでしまう。これに対して光崎は無理なくポイントを重ね、6-2で優勝に王手をかける。第2セットも光崎が支配し、4-1とリード。だが、あと2ゲームで「焦って、ラケットが振れなくなった」と守りに入ると、麻坂が息を吹き返す。正確なショットをコーナーに決め、一気に4-4に追いついた。
だが、ここで麻坂の勢いが途切れてふたたびミスが増えると、光崎に振りきられた。「最後は相手のミスで勝てたので、満足していない」と不満気に語った光崎。それでも「第2セットの最初は思いきって打てて、エースもとれた」と評価できる時間帯もあったと振り返った。
麻坂は「まさか、決勝まで来られると思っていなかった。準々決勝の辺りから自分のペースでできるようになった。以前は守るしかできなかったけど、自分からどんどん打っていくプレーに取り組み、夏ごろからその成果が出てきた」と大きな手応えを感じたようだ。
女子のこの世代も男子と同様、トップを争い続けてきた心央、愛央の虫賀姉妹がアメリカ留学で不在。昨年の12歳以下で心央を倒した石井を含め、今後も激しいバトルが繰り広げられそうだ。
(編集部◎池田晋)
※トップ写真は、14歳以下男子シングルスで優勝した水口翔瑛(関西/テニスプラザ尼崎) 写真◎井出秀人
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