ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、ラケットをファンの一人に手渡すと、汗止めのリストバンドをスタンドに投げ込んだ。この勝利の記念品は、必要ない。長いこと待ちわびていたロックウッドの陶器のトロフィーがあれば、それで十分だったのである。

「ウェスタン&サザン・オープン」(ATP1000/アメリカ・オハイオ州シンシナティ/8月12~19日/賞金総額633万5970ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、ジョコビッチは彼の宿敵であるロジャー・フェデラー(スイス)を6-4 6-4で破ることにより、長いこと彼の手から逃れ続けてきたその大会をついに征服し、初タイトルをその手につかんだ。

 彼は、そのノスタルジックな再試合の勝者となりーー彼らは故障のためここ2年対戦していなかったーーフェデラーが過去に7度優勝し、決して決勝で敗れたことのなかったその大会で、ついに壁を破ったのである。

「シンシナティで、僕を一度勝たせてくれてありがとう」

 表彰式で並んで立っているとき、ジョコビッチはフェデラーにこう言った。

 5度決勝に至り、そのすべてで敗れたあとーーそのうち3度はフェデラーに対するものーージョコビッチは、ついに打開し、つかんだ勝利を祝って飛び上がり、天にこぶしを突き上げた。

 彼は、1990年にATPマスターズ1000が開始して以来、9つのマスターズのすべてで少なくとも一度優勝した、唯一のプレーヤーとなったのだ。それは、幾度となく間近まで迫って敗れたあと、ジョコビッチの探求の目標となっていた。

「ヘッドラインはそのことについてであるべきだ。これは驚くべき成就だよ」とフェデラーは言った。

「彼はそれをやってのけた最初の人物だ。マスターズで優勝するのは非常に難しい。これらのパフォーマンスは簡単にできるものではないよ」

 ジョコビッチは、キャリアを通してのふたりの間の対戦成績で24勝22敗とリードし、重要な試合でよりよい成績を挙げている。彼は、2015年ウインブルドンとUSオープンをはじめ、グランドスラム決勝でフェデラーに3勝1敗で、そのほかの大会を含めた決勝での総合成績で12勝6敗と勝ち越している。

 ジョコビッチは、ウインブルドンで4度目の優勝を遂げることにより、長い時間のかかった右肘の故障からの回復を完了させた。それから彼は、USオープンに向けてハードコートでのテニスの準備を開始した。彼はシンシナティでの雨の多い週が進むにつれてどんどん調子を上げ、最後には彼のベストのテニスをプレーしていた。

「正直言って、これはちょっぴり超現実的だ。このレベルまで戻れた、ということは」と彼は言った。

 フェデラーのサービスは、今週ここまでまさに無敵だった。彼は自分のサービスを46ゲーム連続でキープしていたのだ。だが、ジョコビッチが第1セットでブレークを果たし、4-3とリードしたとき、フェデラーは怒りをにじませてぶつぶつ言った。ジョコビッチは自分のサービスをきっちりキープしてセットを取り、それから第2セットの序盤では、フェデラーとブレークを交わし合った。

 フェデラーのテニスはあまり好調とは言えずーー彼は28本のアンフォーストエラーをおかしたーージョコビッチは、そこにしっかりと付け込んだ。彼はぶたたびブレークを果たして4-3とし、自分のサービスを最後までキープすることで、勝利をものにしたのだった。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は試合後のノバク・ジョコビッチ(セルビア)とロジャー・フェデラー(スイス/手前)
CINCINNATI, OH - AUGUST 19: Novak Djokovic of Serbia shakes hands with Roger Federer of Switzerland after winning the Western & Southern Open singles final at the Lindner Family Tennis Center in Mason, Ohio on August 19, 2018. (Photo by Adam Lacy/Icon Sportswire via Getty Images)

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