牛島里咲(筑大4年)がラストチャンスで単複2冠達成 [インカレ]

「平成30年度 全日本学生テニス選手権大会(男子86回/女子62回)」(岐阜県岐阜市・岐阜メモリアルセンター/本戦8月13~21日/ハードコート)の本戦8日目/最終日は男女シングルス決勝、男女ダブルスが行われ、女子シングルスは第4シードの牛島里咲(筑大4年)が松田美咲(亜大2年)を6-2 6-4で下して優勝を飾った。

 牛島が泣いた。ポーカーフェイスの牛島が感極まって泣いた。「本当にうれしい。毎年毎年、悔しい思いをしてきて…、ラストチャンスで何とか優勝することができました」と優勝の喜びを口にした。

 松田との決勝は勝ちに徹した。ベースラインの中に入り、早い展開で攻め込んでいくのが牛島の理想のテニス。しかし、それをあえて我慢し、相手の嫌がることを考えながら、したたかにボールを配球してポイントを重ねた。

「相手に気持ちよく打たせず、緩急をつけ、ペースを変えた」と牛島が言う。大会に入ってから調子が上がったというサービスからチャンスをつくり、風上では中ロブを送り込んで松田の強打を封じ込めた。

オールストレートの完全優勝を決めた牛島

 一般の大会では好成績を残しているが、学生の大会は思うような結果が残せないでいた。「勝ちたいという気持ちが強い分、力が入りすぎてしまった」からだ。だから最後のインカレは何としても勝ちたかった。勝利への執念をたぎらせ、がむしゃらにタイトルをつかみにいった。

 全中、インターハイ、全日本ジュニアに続く全国タイトル。「やっと(大学で)優勝できました」と笑顔が弾けた。卒業後はプロ転向を決めている。学生最大のタイトルを手にしたことは、大きな自信になったはずだ。

 準優勝に終わった松田は「何もできずに終わってしまった」と悔しさいっぱい。高校時代も春の選抜、夏のインターハイと決勝で涙を呑んでいる。「あとひとつというところで、何かが足りない」と唇をかんだ。

 牛島がしっかりとコートにボールを入れてくることは想定内だった。だが、そこを打開できず、我慢できず、ミスを引き出されてしまった。「頭を使ったプレーにやられてしまいました」と松田が肩を落とした。

 それでもノーシードからの準優勝は評価できるだろう。体調不良で半年以上もテニスから離れ、復帰したのは今年3月。気力、体力を戻し、初めてのインカレに臨んだ。左から繰り出すフォアの強打は、どの選手よりも威力があり、印象に残った。

準優勝の松田。優勝は来年に持ち越しとなった

 第2シードの森崎可南子/牛島里咲(筑大4年/4年)とノーシードから勝ち上がった中沢夏帆/高橋玲奈(亜大4年/4年)とのダブルス決勝は、森崎/牛島が6-0 7-5で優勝し、牛島が単複2冠を達成。森崎は2年連続のダブルス優勝となった。

「(2冠がかかっているので)負けられなかった。勝ててよかった」と森崎。牛島は「パートナーに引っ張ってもらった。(2冠は)実感がないけど、うれしいです」と安堵の表情を見せた。

試合後の握手をかわす、左から牛島、森崎、中沢、高橋

(編集部◎牧野 正 写真◎BBM)

※トップ写真は、優勝を決めて感極まる牛島(筑大4年)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles