マッチポイントを凌いで望月勇希(中大3年)がタイトル獲得 [インカレ]

「平成30年度 全日本学生テニス選手権大会(男子86回/女子62回)」(岐阜県岐阜市・岐阜メモリアルセンター/本戦8月13~21日/ハードコート)の本戦8日目/最終日は男女シングルス決勝、男女ダブルスが行われ、男子シングルスは第3シードの望月勇希(中大3年)が羽澤慎治(慶大1年)を5-7 7-6(7) 6-4で下して優勝した。

 かつてこれほどハイレベルなインカレ決勝があっただろうか。望月が打ち込めば、羽澤が切り返す。羽澤が叩き込めば、望月が叩き返す。第1セットは羽澤がものにし、第2セットは望月がタイブレークを制し、勝負の行方は最終セットにもつれ込んだ。

 羽澤には第2セットのタイブレークでマッチポイントがあった。しかし、痛恨のダブルフォールト。「負けが見えていた」という望月が息を吹き返し、それは最終セットの序盤のプレーに明らかで、3-1と望月がリードした。

オールラウンドなプレーで魅せた望月

 4-2とリードを広げた望月が、第7ゲームもサービスゲームで40-0とし、勝利に近づいた。だが、羽澤が5ポイント連取で気迫のブレークバック。3-4と追い上げ、第8ゲームをキープして4-4に追いついた。

 どちらが勝ってもおかしくない内容だったが、最後に勝利の女神が微笑んだのは望月のほうだった。「(東京から)応援に来てくれた部員のためにも勝ちたかった。優勝したいというより、とにかく負けたくなかった」と望月が笑った。

 オールラウンドなプレーが光った。「なかなかサービスキープができないので」と苦笑したが、勝負どころでのプレー、駆け引きは、羽澤も「一枚上手だった」と認めるほどだった。2年前に決勝で敗れた悔しさを見事に晴らし、望月がビッグタイトルを獲得した。

 敗戦後の羽澤は、しばらく動けなかった。「悔しいという気持ちしかない。マッチポイントでとりきれなかった、自分の弱さが悔まれます」と口にした。最終セットも4-4まで追い上げる粘りを見せたが、「勝てなかったので」と下を向いた。

 得意のサービスを軸に望月を攻め立てた。慶大に進んでトレーニング量が増え、フィジカルの強さがプレー全体に表れていた。予選からの快進撃は8連勝で終わったが、男子の中では、もっとも強い輝きを見せた選手だったことは間違いない。

ファイナリストの羽澤。予選からの快進撃は見事だった

 第1シードの坂井勇仁/田中優之介(早大4年/2年)と予選を突破した藪巧光/岡垣光祐(法大3年/2年)のダブルス決勝は、坂井/田中が7-5 6-4で優勝を決めた。

 坂井は2年連続の優勝。「秘かに狙っていました」と坂井が言えば、田中は「インカレ室内に続いてストレートで優勝できれうれしい」と喜びいっぱい。大会を通じて元気のなかった早大勢だが、最後にタイトルを獲得した。

優勝を決めて喜び坂井(右)と田中

(編集部◎牧野 正 写真◎BBM)

※トップ写真は、優勝を決めて喜びを爆発させる望月(中大3年)

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