3回戦でウイリアムス姉妹対決か、ナダルはフェレール、フェデラーは西岡良仁、ワウリンカはディミトロフと初戦を戦う [USオープンPreview]

 今年の「USオープン」(8月27日〜9月9日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)で、セレナとビーナスのウイリアムズ姉妹が、ここ20年のグランドスラム大会でいえばもっとも早い段階となる、3回戦で対戦する可能性がある。

 もし姉妹が対決することになったなら、勝者は続く4回戦で、世界1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)と対戦する可能性が高い。

 これは間違いなく、今年最後のグランドスラム大会、USオープンの組み合わせ抽選で、男女のドローでもっとも興味をそそる部分のひとつだろう。これはセレナにとって、妊娠、出産で2017年の同大会を欠場したあとの帰還となる。彼女は昨年9月1日に、娘を出産した。

 36歳のセレナは、ここまでに獲った「23」のグランドスラム・タイトルのうち6つをUSオープンで獲得しており、全米テニス協会(USTA)から、現ランキングより9つ高い第17シードを与えられていた。

 一方、獲得した7つのグランドスラム・シングルス・タイトルのうち、5つをニューヨークで獲ったビーナスは、16位で第16シードとなっている。彼女はまず、スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)に対する難しい1回戦を乗り越えなければならない。クズネツォワは、2004年USオープンを含め、2度グランドスラム大会で優勝した経験を持つ選手だ。

 クズネツォワは、ワイルドカード(主催者推薦枠)によって、月曜日に始まる本戦にストレートインする権利を与えられた。セレナの1回戦の相手は、60位のマグダ・リネッテ(ポーランド)だ。そして前述のとおり、ウイリアムズ姉妹の双方が3回戦に駒を進めれば、ふたりはそこでぶつかることに。3回戦は、ツアーでの初対戦だった1998年オーストラリアン・オープン2回戦に次いで、早い段階ということになる。

 姉妹は以来、合計29度対戦しており――セレナが17勝12敗でリードしている――それには9度のグランドスラム決勝での対決が含まれる。もっとも最近のそれは、2017年オーストラリアン・オープン決勝だった。

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 男子のドローでは、世界1位で前年度覇者のラファエル・ナダル(スペイン)が、2013年フレンチ・オープン決勝の再現となる、ダビド・フェレール(スペイン)に対する同国対決で大会を始める。世界2位のロジャー・フェデラー(スイス)は、1回戦で日本の西岡良仁(ミキハウス)と対戦することになった。

 フェデラーは、準々決勝で第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する可能性がある。先のウインブルドンで優勝したジョコビッチは、2週間前のシンシナティでフェデラーを倒しており、大会の優勝候補の一角とみなされている。

 第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と第7シードで2014年USオープン優勝者のマリン・チリッチ(クロアチア)もまた、フェデラーのいる下半分のドローに入っている。また30位のニック・キリオス(オーストラリア)もフェデラーの側で、ふたりは3回戦で対戦する可能性がある。

 2016年USオープン・チャンピオンで、故障のため昨年欠場していたスタン・ワウリンカ(スイス)は、今年はワイルドカードで本戦出場権を得た。彼と、第8シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が対戦する1回戦は、注目の試合のひとつだ。グランドスラム大会で3度優勝した経験を持つワウリンカは、6月のウインブルドン1回戦でディミトロフを倒していた。

 ナダルがいるドローの上半分には、2009年USオープン優勝者で第3シードのフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)がいる。デル ポトロは3回戦で、もうひとりの元USオープン優勝者、アンディ・マレー(イギリス)と対戦する可能性がある。またウインブルドンとUSオープン準優勝者で第5シードのケビン・アンダーソン(南アフリカ)も、ドローの上半分にいる。

 フェデラー対ジョコビッチと並び、ほかの起こりうる男子準々決勝の顔合わせは、ナダル対アンダーソン、デル ポトロ対ディミトロフ、ズベレフ対チリッチだ。

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 女子の第2シード、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は1回戦で、2011年USオープン優勝者のサマンサ・ストーサー(オーストラリア)と対戦する。前年度覇者のスローン・スティーブンス(アメリカ)は今回第3シードとしての出場で、3回戦で元世界1位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦する可能性がある。

 起こりうる女子の準々決勝のカードは、ハレプ対第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)、ウォズニアッキ対第5シードのペトラ・クビトバ(チェコ)、スティーブンス対第7シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)、そして第4シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)対第6シードのカロリーヌ・ガルシア(フランス)だ。

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 日本男子は西岡のほかに、第21シードの錦織圭(日清食品)が49位マクシミリアン・マルテレル(ドイツ)と、ダニエル太郎(エイブル)が43位アレックス・デミノー(オーストラリア)と、杉田祐一(三菱電機)は第26シードのリシャール・ガスケ(フランス)と対戦する。いずれもドローの下半分に位置している。

 また日本女子は、第20シードの大坂なおみ(日清食品)が146位のラウラ・シグムンド(ドイツ)と、奈良くるみ(安藤証券)は第15シードのエリース・メルテンス(ベルギー)と対戦する。大坂はドローの下半分、奈良はドローの上半分に位置する。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はUSオープンの男女優勝トロフィー
NEW YORK, NY - AUGUST 23: (L-R) A detailed shot of the US Open men's singles trophy and women's singles trophy is seen during the US Open Experience at Brookfield Place on August 23, 2018 in New York City. (Photo by Mike Stobe/Getty Images for USTA)

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