「USオープン」(8月27日~9月9日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の女子シングルス1回戦。

 40歳の誕生日が間近というときに、パティ・シュニーダー(スイス)は、不意にテニスの大舞台に戻り、1万4000席のスタジアムの照明の下、マリア・シャラポワ(ロシア)と対戦した。これはシュニーダーにとって、2011年以来のグランドスラム大会本戦出場となる。

 そして彼女は、ことを興味深くしてくれた。結局勝負を第3セットに持ち込むことはできず、最終的にシャラポワに2-6 6-7(6)で敗れたとはいえ、第2セットでは大きな点差を埋めて追い上げる、挽回劇を見せたのだ。

「あれは楽しかったわ」とシュニーダーは言った。

 シュニーダーは世界ランキング186位であるため、本戦入りするのに予選を勝ち抜かなければならなかった。その上で彼女は、グランドスラム大会で予選を突破した最年長女子プレーヤーとなったのである。彼女はまた、今年の128人いる女子シングルス本戦出場者の中で最年長、USオープンの歴史では3番目に年齢の高い女子選手となった。

「そんなに長いこと離れていたようには感じられないわ」とシュニーダーは言った。彼女は7年前に一度引退したが、2016年にツアーに完全復帰していたのだ。

「こうも長いこと私の人生の一部だったんですもの。素晴らしい感慨だわ。それは私の人生最大の情熱であり、ここのコートに出て試合できるというのは、ただただ素晴らしいわ」

 2006年USオープン優勝者のシャラポワとの対戦は、彼女にとってキャリア9度目だったが、最後に対戦してからすでに10年が過ぎ去っていた。

「今日コートに出て行ったとき、思い出がよみがえるということはわかっていたわ」と31歳のシャラポワは言った。彼女は今や、シュニーダーとの対戦成績を8勝1敗とした。

「彼女がどれほどのファイターかは知っている。戻ってきて変わらず戦う意欲を持っているというのは、称賛に値することだわ」

 試合はルイ・アームストロング・スタジアムで行われ、シュニーダーはときどき大きなビデオスクリーンを見上げ、3歳になる娘のキムの姿をちらりと見た。観客席に座ったキムは、この夜、彼女の通常の就寝時間を大きく過ぎても起きていることを許されていた。

 シャラポワは、シュニーダーのサービスゲームのすべてでブレークを果たし、ウィナー数で9対0と優位に立って、第1セットを迅速に駆け抜けた。

 第2セットも同じようなリズムで始まり、シャラポワが5-1とリードしたが、そこから次第にシャラポワにミスが増え始める。そしてそのことがシュニーダーに、左腕から繰り出すパワフルなフォアを使って5-5と追いつき、それから勝負をタイブレークに持ち込むことを許したのだった。

 タイブレークでも、シャラポワは楽をさせてはもらえず、勝利を決めて2回戦に進むのに4つのマッチポイントを必要とした。シャラポワのUSオープン・ナイトセッションの戦績は、これで21勝0敗となった。

 一方のシュニーダーは、一時引退する前の彼女の『最初のキャリア』の間、この大会で一度も1回戦負けを喫したことはなく、14勝0敗の戦績を誇っていた。

「彼女は変わらず、信じられないような手をもっているわ」とシャラポワは試合後、シュニーダーのプレーについてコメントした。

「こうも長く現役から遠ざかっていた者としては、驚くほど動きがいい。変わらず高い競争力を持っている」

 シュニーダーは、このニューヨークへの旅が何を意味することになるか、はっきりわからないと言った。彼女は2004年オーストラリアン・オープンで準決勝に進出し、2008年、また1998年のUSオープンを含め、6度グランドスラム大会の準々決勝に至るなど、何年も前にすでに成功を味わっていた。

 輝く光と大都市への往復の旅は、シュニーダーを、もっともっと欲しいという気持ちにさせるだろうか? それとも、このことが渇望を満たし、彼女は引退へと戻る準備ができたのだろうか?

「わからないわ。私は(この先について)何も計画していない。ここに来て、本戦入りを果たした今、この出来事が、私に違った考えを与えてくれるかもしれない」と、12月に40歳となるシュニーダーは答えた。

「来たる数ヵ月に私が何をしようとしているのか、本当にわからないの」(C)AP(テニスマガジン)

※写真はパティ・シュニーダー(スイス)(撮影◎毛受亮介)

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