アメリカの新星アニシモワがツアー初Vに王手 [花キューピットオープン]

「花キューピットジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス」(WTAインターナショナル/広島県広島市・広域公園テニスコート/本戦9月10~16日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月15日(土)、前日の雨で延期となったシングルス準々決勝1試合と準決勝の2試合、ダブルスの準決勝1試合が行われ、明日の単複ファイナリストが決定。

 シングルスの決勝は、予選から勝ち上がった17歳のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)と第2シードのシェイ・スーウェイ(台湾)の対戦となり、ダブルスは第2シードの穂積絵莉(橋本総業ホールディングス)/ジャン・シューアイ(中国)が勝利を収め、先に決勝進出を決めた第1シードの加藤未唯(ザイマックス)/二宮真琴(橋本総業ホールディングス)と明日16日(日)に優勝を争う。 

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 シングルス準々決勝に登場したシェイは第5シードのアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)に4-6 6-2 6-0で競り勝つと、続く第4シードのワン・チャン(中国)には6-4 6-4でストレート勝利。2試合ともにリードを許す展開から粘り勝ち、ツアー大会では6年ぶりのシングルス決勝へ歩を進めた。

 シェイは相手のハードヒットに押し込まれる場面も多かったが、「諦めずに1ポイントごとに最後まで走り続けることができた」と上々の出来。過去に3年間拠点にした日本は第2の故郷。国内での試合は「家に帰ってきた気分」とうれしさが表情からあふれ出す。今日も観客の声援が力になったと感謝の言葉を口にし、6年ぶりのツアータイトルを日本で狙う。

今年の全豪、全英では4回戦まで勝ち上がり、粘り強さに定評があるシェイ

 予選から快進撃を続ける2001年生まれのアニシモワは、第1シードのジャンを7-6(4) 7-5で破ってツアー初の決勝進出を果たした。

 この試合は雨の影響で2度の中断を挟んだが、アニシモワの冷静さは失われることなく、「ベストなプレーをしよう」と試合に集中した。初対戦のジャンは世界ランク41位の実力者。過去にオーストラリアン・オープン8強入りした相手にも物怖じせず、積極的なプレーを軸にしながらも同時に自らのミスを減らすことも心掛け、息詰まるロングラリーから勝機を見出した。

第1シードのジャンは若手の勢いを止められず

 アニシモワは昨年のUSオープン・ジュニアを全試合ストレート勝ちで制し、母国アメリカで注目を集める新星のひとり。今大会は予選2回戦でフルセットマッチを経験するも、残る6試合はすべて2セットで一蹴した。初の決勝の舞台に話題が及ぶと自然と頬も緩んだが、大一番に向けては「これまでの試合と同じ。積極的にウィナーを狙うようなプレーがしたい」と強気の姿勢を示した。

 穂積とジャン、第3シードの青山修子(近藤乳業)/ドゥアン・インイン(中国)の“日中ペア対決”となったダブルス準決勝は序盤からペースを掴んだ穂積ペアが6-1 6-4とストレート勝ち。前後の役割分担がはっきりした相手ペアの陣形を見越した穂積は「相手のよさをどう消すか」を意識。前で積極的に動く青山に対してはロブやダウン・ザ・ラインで動きを止める戦略もはまり、クレバーな戦いで決勝の切符をつかんだ。

 初めてペアを組むジャンについて「最初からリズムが合っていて、とてもやりやすい」と手応えを口にした穂積。明日の決勝は同期の加藤/二宮ペア。94年組と呼ばれる仲間内との対戦に意識がいきがちだが、「あまり考えないようにして、ジャン選手といっしょに楽しんでプレーしたい」と語った。

ダブルスの決勝に進出した穂積絵莉

(編集部◎中野恵太)

写真◎矢野寿明

※トップ写真は、ファンのサイン攻めに応えるアマンダ・アニシモワ(アメリカ)

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