シェイ・スーウェイが見せた経験とアニシモワの可能性 [花キューピットオープン]

「花キューピットジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス」(広島県広島市・広域公園テニスコート/本戦9月10~16日/賞金総額25万ドル/ハードコート)は9月16日(日)、シングルスとダブルスの決勝が行われ、シングルスは第2シードのシェイ・スーウェイ(台湾)が予選勝者のアマンダ・アニシモワ(アメリカ)を6-2 6-2で下して大会初優勝を果たした。

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 予選から勝ち上がったアニシモワは、身長180cmから繰り出す強烈なサービスとストロークの破壊力に加え、状況に応じてフォア・バックともに正確に打ち分ける力を持ち併せたオールラウンドプレーヤー。本戦入りしてからは、全試合ストレート勝ちのパフォーマンスで決勝進出を果たし、誰もがツアー初優勝を予感したが、15歳年上のシェイが彼女の前に立ち塞がった。

決勝前のフォトセッション。左端がシェイ、右端がアニシモワ

 元ダブルス世界1位の実績をもつシェイは、巧みなゲームコントロールとテクニックを駆使する両サイド両手打ちのベテラン選手。鋭いカウンターショットを見舞ったかと思えば、フォアのスライスやムーンボールを織り交ぜ、相手に攻撃の的を絞らせない。決勝も疲労の色を隠し切れないアニシモワに対して策を講じ、凡ミスを引き出すことに成功。序盤から主導権を握り続けた。

 終わってみれば、58分で試合を終わらせる完勝劇。準決勝からボーイフレンドも会場に駆けつけ、日本で6年ぶりのツアータイトルを獲得した。「とても素晴らしい気分」と素直に喜ぶと、優勝スピーチの冒頭は3年間住んでいたときに覚えた日本語でファンに挨拶。愛嬌のあるキャラクターで会場のファンを虜にした。

連続ポイントで試合を支配したシェイ

 試合こそ圧勝だったが、アニシモワについて「すべてのショットが素晴らしく、ドロップショットもうまく使うことができて、プレー中に少し驚いた」とシェイは手放しに賛辞を送った。一方で「自分は“経験”が武器。うまく対応できたと思う」と自信をのぞかせた。

 この2年間、シェイは足首のケガに悩まされたが、今シーズンは痛みが悪化しなかったことで好成績へと繋がった。1月の全豪と7月のウインブルドンで16強入りを果たし、世界ランクもトップ50に再浮上。最後までボールを追いかけ、様々なショットを試すことで「試合を楽しむことができている」と充実のシーズンを送る。ジュニア時代に一度訪れたことがある広島での優勝も格別で、優勝後のディナーは「広島焼きが食べたい」と笑顔がこぼれた。

 惜しくも準優勝に終わったアニシモワは「とてもタフな試合だった。シェイは常に集中していた。自分よりも優れた選手から学べることがあるので、吸収したい。今日は彼女が勝って当然だった」と完敗を認めた。

決勝はベストなプレーではなかったアニシモワだが、今大会の中心選手のひとりは彼女だろう

 今後も世界から注目を集めそうなアメリカ期待の新星だが、本人は至って冷静だ。「世界1位やグランドスラム制覇も夢ではあるけど、本音を言えば、小さい目標を一つずつ達成しながら前へ進みたい。もっと積極的なプレーがしたいし、ミスも減らしたい。今後も自分なりのプレーをするだけ」と17歳らしからぬ落ち着いたコメントを残し、将来の活躍を誓った。

(編集部◎中野恵太)

写真◎矢野寿明

※トップ写真は、優勝後にサインボールを打ち込むシェイが会場のファンと交流

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