「東レ パン パシフィック オープン」(WTAプレミア/9月17〜23日/賞金総額79万9000ドル/室内ハードコート)は20日、シングルス2回戦4試合、ダブルス準々決勝4試合が行われ、大会2連覇中の第1シード、カロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が初戦で敗れる波乱があった。

     ◇   ◇   ◇

 1回戦で土居美咲(ミキハウス)を攻撃的なテニスで圧倒したカミラ・ジョルジ(イタリア)が、第1シードのウォズニアッキに対しても超攻撃的に打ち込み続け、6-2 2-6 6-4のフルセットの激闘を制した。

 2008年から舞台となってきた有明コロシアム(および有明テニスの森公園テニスコート)が2020年の東京オリンピックに向けての改修工事を行っていることもあり、今年はアリーナ立川立飛(およびドーム立川立飛)での開催となった東レPPO。ジュニア時代から国際大会で何度も来日を重ね、特に有明のコートでのプレーに自信を持っていたウォズニアッキにとって、今年は厳しい戦いとなった。

 第1セットを失った元女王は「まずはサービスをよくしよう。それから、彼女からのリターン1球目をしっかりととらえようと試みた」と、第2セットでは最初のサービスゲームから集中。センターへエースを叩き込み、さらにワイドへのスライスサービスでジョルジに的を絞らせずにサービスキープを続け、リターンゲームでは長いラリー戦に勝機を見出すべくコートを走り回った。

 第2セットを2ブレークでものにし、ファイナルセットも先にジョルジのサービスをブレーク。スコア的に優位に立ったウォズニアッキだったが、プレーにはまったく余裕はなかった。ウォズニアッキが「有明とは違い、ややスローなコートサーフェス」というアリーナのハードコートは、ウォズニアッキのスピン系ボールの勢いを失速させるのか、「彼女に十分に構えさせる時間を与えて、ビッグショットにさせてしまう」。

 もともと一発のショットには定評のあったジョルジだが、この日は試合を通じて、そのビッグショットが立て続けにオンラインに決まるなどウォズニアッキを追い詰め続け、第3セットもすぐにブレークバック。ベースライン内側に構えて相手コート深くへ叩き込むショットだけではなく、自身が深く追い込まれた位置からもパッシングでエースを奪うなどディフェンス力でも上回り、粘るウォズニアッキを振りきった。

 過度に感情を表すことなく淡々とプレーする26歳のジョルジは、大きな1勝を手にしても「今日は安定したプレーができた」と、変わらずクールなまま。元女王をして「今日は彼女が非常にアグレッシブで、いいプレーをした」とお手上げにさせた力をこのまま発揮し続ければ、今大会のダークホースになるかもしれない。

     ◇   ◇   ◇

 ダブルスの準々決勝では、加藤未唯(ザイマックス)/二宮真琴(橋本総業ホールディングス)がリューメラ・キッシャノック(ウクライナ)/カタリナ・スレボトニク(スロベニア)をファイナルセット、スーパータイブレークの末に6-4 2-6 [10-7]で破って準決勝進出。

 日本人同士のペアとしては大会初の決勝進出を目指して、準決勝では第2シードのガブリエラ・ダブロウスキー(カナダ)/シュー・イーファン(中国)に挑む。大坂フィーバーに沸く大会だが、勝ち進むたびにダブルスの行われているドームコートにも多くのファンが詰めかけ、注目度も高まっている。

 準決勝の相手とは、二宮は穂積絵莉(橋本総業ホールディングス)とのペアで準優勝を果たしたフレンチ・オープンでも対戦し、勝利を得ている。「そのときとは、また違った印象を与えられるように挑戦していきたい」と二宮が言えば、「日本での大会なので、のびのびプレーしたい。最後まで自分たちのプレーをやり切ることが大事」と加藤。

 2人のダブルスの見どころについて、加藤が「2人ともネットプレーが得意なので前衛での動きや、ラリーが激しくなったところからの展開」を挙げると、二宮は「同じですが、……あとは加藤さんのアクロバティックなプレー」と付け足し、記者会見で笑いを誘った。コートでもトークでもコンビネーション抜群の2人のダブルスに注目だ。

(ライター◎田辺由紀子)

※写真はカミラ・ジョルジ(イタリア)(撮影◎佐藤明)

This article is a sponsored article by
''.