チョリッチがフェデラー破り、初のマスターズ決勝でジョコビッチに挑む [ロレックス上海マスターズ]
中国・上海で開催されている「ロレックス上海マスターズ」(ATP1000/10月7~14日/賞金総額921万9970ドル/ハードコート)のシングルス準決勝で、第13シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)が前年覇者で第1シードのロジャー・フェデラー(スイス)を6-4 6-4で破り、マスターズで初の決勝進出を果たした。
「人生最高の試合の一つだった」と21歳のチョリッチは振り返った。最後の2ポイントはサービスエースと、火を吹くようなフォアハンドのクロスコートへのウィナーで、この日のチョリッチの勢いを象徴するような締めくくりだった。
首の痛みに悩まされていたチョリッチは、もう少しで上海をスキップするところだったのだと明かしていた。
「今日はまったくプレッシャーなくコートに入った。何も気にせず、だからあんなにいいプレーができたんだ」
チョリッチはフェデラーにブレークチャンスすら与えず、自身は両セットとも最初のゲームでブレークに成功。試合を通してチョリッチに7度のブレークポイントを与えたフェデラーは、「彼のほうがボールにパンチがあったし、サービスも彼のほうがよかった。そうなると、この速いサーフェスでは絶対的に強い」と勝者を称えた。
今シーズンのフェデラーは3つのタイトル――オーストラリアン・オープン、ロッテルダム、シュツットガルト――を獲ったが、そのすべてが7月のウインブルドン前に獲得されたものだった。
今年の残り期間、そして来年のスケジュールについて何度も尋ねられたフェデラーは、具体的な内容は明かせないが、2019年もプレーするということだけは保証した。
「皆の質問に答えてあげたいんだけど、本当に分からないんだ。でも僕は、来年もテニスをプレーする。それは確かだ」と彼は言った。
この結果でチョリッチは、フェデラーとの対戦成績を2勝2敗のタイに追いついた。前回対戦した今年6月のハレでもチョリッチが勝っていた。そのことはチョリッチにとって、大きな自信になっていた。
「あれほどの選手と戦うときには、確かなものを何か持っていないといけない。僕には一度彼に勝ったんだという思いがあった」
もうひとつの準決勝では、第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)に対して文句なしのプレーで6-2 6-1の圧勝劇を見せた。
ここ上海で4度目の優勝を狙うジョコビッチは、今大会ここまで37回あるサービスゲームをまだ一度もブレークされていない。ズベレフにはブレークポイントさえ与えず、自身は6回あったブレークチャンスのうち4回をものにした。アンフォーストエラーの数は、ズベレフの24に対してわずか9に抑えた。
「考えていたことはすべてやった。それが全部うまくいって、パーフェクトな試合だったと思う。今週の試合にはいい面がたくさんあって自信になっている」
そんなジョコビッチに対し、ズベレフは試合中に苛立ちを爆発させた。第2セット1-3で迎えた第5ゲーム、この日ミスを繰り返していたバックハンドをまたもやネットにかけると、ラケットを地面で叩き折り、拾ったラケットをふたたび叩きつけて無残に破壊。挙げ句、それを客席に投げ入れた。
なお、この試合はジョコビッチにとって、キャリア通算1000試合目でもあった。そして彼は、827勝173敗という輝かしい成績を誇る。
「自分が何かを成すのだと信じていなければ、ここまでテニスに捧げることはできなかったと思う。今も常に自分の体にムチ打つ必要があるけど、その結果、大きなことを達成するキャリアに恵まれてありがたいと感じている」
現在、ジョコビッチの連勝は「17」に伸びている。ウィンブルドン以降の26勝1敗という成績に、ジョコビッチ全盛時代の再来を疑う余地はない。
ジョコビッチは日曜日に、通算72個目のタイトルを狙う。上海では過去3度決勝に進出して負けなしで、チョリッチに対しては過去2度の対戦でセットも落としていない。
なお、週明けに更新される世界ランクでは、現在3位のジョコビッチがフェデラーを抜いて2位に上昇することがすでに確定している。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はボルナ・チョリッチ(クロアチア)
SHANGHAI, CHINA - OCTOBER 12: Borna Coric of Croatia celebrates after defeating against Matthew Ebden of Australia during the 2018 Rolex Shanghai Masters Men's Singles - Quarterfinals match at Qi Zhong Tennis Centre on October 12, 2018 in Shanghai, China.¡¢ (Photo by Lintao Zhang/Getty Images)
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