USオープン覇者の大坂なおみとスティーブンスが月曜日の第1試合で大会デビュー [WTAファイナルズ]

 トップ8によるエリート大会「BNP パリバ WTAファイナルズ・シンガポール」(WTAファイナルズ/10月21~28日/シンガポール・シンガポール/賞金総額700万ドル/室内ハードコート)に、ここ2年のUSオープン優勝者の大坂なおみ(日清食品)とスローン・スティーブンス(アメリカ)が大会デビューを遂げる。ふたりにとっての初戦は、月曜日の第1試合に予定されている。

 この大会の最初の段階は、4人の選手によって構成される2つのグループに分かれての、チーム内の総当たり戦(ラウンドロビン)となっている。この総当たり戦の結果、グループの上位2人が、土曜日の準決勝に駒を進めることになる。

 日本とアメリカの国籍を持ち、日本代表としてプレーする大坂にとって、USオープン優勝からここまでの6週間は、非常に目まぐるしいものだった。

 大坂のUSオープンでの勝利――それは3月のインディアンウェルズに続き、彼女にとって2つ目のタイトルだった――は、対戦相手のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)がこの決勝の間に審判のカルロス・ラモスと始めた口論のための騒ぎによって、損なわれてしまった。

「ただ、一大会一大会プレーしていくだけだと私は思っている。だから、私の人生が変わりつつあるとかそういうことについて、考える時間というのはあまりないわ」と大坂はコメントした。

「だから、(起きたことを)整理するには、とにかく今年が終わる必要があるのかもしれない」

「認められるようになったという面では、少し変わったと感じている」と彼女は言い添えた。「以前は、日本にいるときだけ、人々は私のことを知っていると感じていた。でも今は、ここでさえ…ここもまたアジアではあるから、あまりいい例じゃないかもしれないけど、でも空港とか、そういうところで人々が自分が誰か知っていると感じる。そこがちょっと面白いと思うわ」

 2017年にUSオープンで優勝した25歳のスティーブンスは、大坂に対する2度目の対戦を楽しみにしている。彼女は、2016年アカプルコ準々決勝で実現した最初の対戦で、ストレートセットの勝利をおさめていた。

「すごく楽しく、見ごたえある対戦になると思うわ」とスティーブンスは言った。

「言うまでもなく、皆がここに至るために、1年を通して頑張ってきた。これは、私の(WTAファイナルズ)デビューであるとともに、彼女のデビューでもあるから、お互いにとって新しい領域という訳ね。私たちはふたりとも、素晴らしいことをやってのけた。だから私たちは試合を楽しみにしている。そこで何が起こるか見てみましょう」

 そして大坂とスティーブンスの双方が、このシーズン末の威信ある大会に出場するという新しい経験に、硬くならずのびのびと対処できればと願っている。

 スティーブンスにとって、最大の懸念は、慣れていないラウンドロビンという形式に適応することだ。

「シエラ・スポーツ&ラケット・クラブでテニスをプレーし始め、クラスのレベルを上げていくためにラウンドロビンでプレーしなければならなかったとき以来、この形式では試合をしたことがないの。当時の私は10歳くらいだったと思うわ」とスティーブンスは振り返る。

「だからどんなふうにいくものなのか、明確にはわかっていない。でも、ただプレーして、勝とうと努めるだけなのだと思うわ。何が起ころうと、なるようにしかならないんだから」

 一方、大坂は、WTAファイナルズ出場者の一員となること自体に、緊張させられてしまわないよう願っている。

「気持ち的に圧倒されてしまわないよう願ってるわ」と大坂は心境を語った。

「実際にその瞬間に足を踏み入れるまで、決して自分がどんなふうに感じるかわからないものよ。だからただ、よいプレーをし、ナーバスになったりしないよう祈るばかりだわ。きっとナーバスになると思うけど、それもプロセスの一環だと感じている」

 ふたりがいるレッド・グループには、今年のウインブルドン優勝者のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)、世界ランク1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)が背中の故障で棄権したために出場権を得たキキ・バーテンズ(オランダ)が入っている。ケルバーとバーテンスは、月曜日の2試合目で対戦する。

 大会の火ぶたは、ホワイト・グループがプレーする日曜日の試合をもって、切って落とされる。

 2011年覇者のペトラ・クビトバ(チェコ)は最初の試合で、昨年初出場だったエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)と対戦する。前年度覇者のカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)は2試合目で、3年連続出場のカロリーナ・プリスコバ(チェコ)と対決する。

 また、ここでプレーできないにも関わらず、ハレプはシンガポールに参上し、金曜日のWTAファイナルズの祝賀会で、WTAの今季最優秀選手賞を受け取った。ハレプは今年のフレンチ・オープンでグランドスラム初タイトルを獲得し、オーストラリアン・オープンでも準優勝していた。

「グランドスラム大会で優勝し、年を世界1位で終えることができるなんて、これは望み得る最高のものだわ」とハレプは言った。

「非常に厳しい瞬間も経験した。なぜってメルボルンでの出来事(前年の全仏に続き、またもグランドスラム決勝で勝利に迫りながら結局敗れ、タイトルを逃した)があったから。その辛さを克服し、より強く戻ってくるというのは、本当に大変なことだったわ」

「私は、自分がより強くなって戻っていき、よりよい結果を出すことができたことを誇りに思っている。だから間違いなく、そして実際に、これは私のキャリアで最高の年だと思うわ」(C)AP(テニスマガジン)

※写真は大会前の記者会見での大坂なおみ(日清食品)
SINGAPORE - OCTOBER 20: Naomi Osaka of Japan fields questions from the media at a press conference for the BNP Paribas WTA Finals Singapore presented by SC Global at the Marina Bay Sands Hotel on October 20, 2018 in Singapore. (Photo by Matthew Stockman/Getty Images)

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