「大阪市長杯 世界スーパージュニアテニス選手権大会」(ITFグレードA/大阪府大阪市・ITC靱テニスセンター/本戦10月16~22日/ハードコート)は最終日、男女のシングルス決勝が行われ、日本の齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)が第2シードのブ・ユンチャオケテ(中国)を7-5 6-0で破って栄冠に輝いた。

 女子は第1シードで15歳のクララ・タウソン(デンマーク)が第2シードで16歳のジェン・チンウェン(中国)を6-1 6-0で圧倒。大器の片鱗を見せつけた。

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 快進撃は決勝進出で終わらなかった。大会前には誰も予想できなかったラストシーン------ランキングで見れば日本勢の中でも7番目にすぎなかった齋藤が、拳を秋空へ突き上げた。

 最後の対戦相手は中国の内モンゴル出身の16歳、ブ・ユンチャオケテ。2015年のワールドジュニアのアジア・オセアニア最終予選で齋藤がストレート勝ちして以来の対戦だが、その間にも大会で何度か顔を合わせ、会えば言葉を交わす仲だという。

 1回戦で藤原智也(サン城陽テニスクラブ)にセットを奪われた以外は危なげなく勝ち進んできたブだが、決勝は「あんなにたくさんの人の前で試合をしたことはなかったから、ビビッてしまった」という。前日の準決勝はセンターコートではなく1番コートだった。対する齋藤はすでに準決勝で同じ雰囲気を経験していた。

「今日は緊張しなかったし、最初から普通に動けた」と、第1セットの第5ゲームをラブゲームでブレーク。第10ゲームを同じくラブゲームで逆にブレークされ5-5に追いつかれたが、気を取り直してすぐにふたたびブレークに成功した。それが試合の流れを決定づけたといってもいい。結局そこから1ゲームも奪われることなく、7-5 6-0の勝利まで一気に突き進んだ。

 とはいえ、多くのポイントは長いラリーの末につかんだもので、スコアほど楽な内容ではなかった。

「クオリティの高いショットを確率よく入れてくる選手で、押される場面も多かった」と振り返る。

 しかし、鉄壁のディフェンスや鋭いアングルショットは今日も健在で、文字通りラインをなぞるように伸びていくダウン・ザ・ラインも、3000人を上回る観客の感嘆と拍手を誘った。

 この大会はグランドスラム・ジュニアと同じ〈グレードA〉だが、今年は4年に1度のユースオリンピックと日程がかぶり、国内ナンバーワンの田島尚輝(TEAM YONEZAWA)も海外のトップ勢も出場しなかった。しかし、齋藤よりははるかに格上である上位2シードを連破しての優勝、そして何より連日会場を湧かせたプレーそのものに価値がある。

 男子シングルスでの日本人による優勝はこれで3年連続。一昨年優勝した綿貫陽介(日清食品)は齋藤が所属するテニスクラブの先輩(グローバルプロテニスアカデミーは綿貫の両親が経営)だ。昨年優勝した清水悠太(三菱電機)とは齋藤と身長がほぼ同じで左利きという共通点がある。「別の次元の人」と感じながらも、彼らは身近に存在するお手本であり、励みだった。

 綿貫も清水もプロへの道を選んだ。17歳の齋藤にまだ明確な未来図は描けていないが、「将来はプロになりたい」という夢はより色彩を帯びていることだろう。

(ライター◎山口奈緒美)

※写真は男子シングルスで日本人として3年連続となる優勝を果たした齋藤惠佑(グローバルプロテニスアカデミー)
撮影◎真野博正

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