ジョコビッチがパリで、ナダルから世界1位の座奪回を目指す

 ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は現在、非常に勢いのある調子であり、パリ・マスターズで長年のライバル、ラファエル・ナダル(スペイン)から世界1位の座を奪い取る準備ができているという。

 月曜日にスタートした「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/10月29日~11月4日/フランス・パリ/賞金総額544万4985ユーロ/室内ハードコート)を前に、ジョコビッチはナダルのわずか215ポイント後ろにまで迫ってきている。これはジョコビッチが、過去に4度優勝した大会であり、最後の優勝は2015年だった。一方のナダルは、一度もここで優勝したことはない。

 ふたりのテニスの偉人は合わせて「31」のグランドスラム・タイトルを獲っており、こちらではナダルの「17」に対してジョコビッチの「14」と、ナダルがリードしている。しかしジョコビッチは、今上昇気流に乗っているように見え、対するナダルは右膝の故障から復帰しようとしているところだ。

 ジョコビッチは、出場したここ5大会のうち4大会で優勝しており、この力強い進撃の過程には、ウインブルドン、USオープン、上海マスターズが含まれている。

「USオープンと上海の双方で、僕はこれまでになくいいプレーをした」とジョコビッチは、日曜日にパリで行われた記者会見の際にコメントした。

「だから僕は今、テニスを大いに楽しみ、競い合うことを楽しんでいる。自信に満ちているときには、練習や大会、試合にまったく違った仕方でアプローチするものだ」

 ジョコビッチは、2016年フレンチ・オープンで優勝したときまでそうだったような、優勢な極めて高いレベルに近づきつつあると感じている。このフレンチ・オープンは彼にとって、2年間グランドスラム大会優勝から見放されることになる大スランプ前の、最後のグランドスラム・タイトルとなった。

 2017年、肘の故障にかかわる困難のせいで、ジョコビッチのプレーのレベルは落ち始めた。1月、最終的に肘の手術を受け、6月のフレンチ・オープンを迎えた頃までには、彼のランキングは22位にまで落ちていた。

「僕がどう感じ、どんなプレーをしていたかに関していえば、5ヵ月前と今とでは、極めて対照的、正反対だ」とジョコビッチは言った。

「現時点の僕は、自分のベストのレベルでプレーしていると思う。常に向上することは可能だと感じているとはいえ、これは非常に高いレベルだと僕は感じている」

 ジョコビッチはパリで、1回戦をBYEで免除されている。彼にとって初戦となる2回戦では、ジョアン・ソウザ(ポルトガル)とマルコ・チェッキナート(イタリア)の勝者と対戦する。チェッキナートは、今年のフレンチ・オープンでジョコビッチに対して番狂わせを演じた男だ。

 3度目の上海優勝のおかげで、ジョコビッチがキャリアを通して獲得したタイトルの総数は、「72」となり、ナダルの記録まであと8タイトルと迫った。ロジャー・フェデラー(スイス)は、日曜日にスイス室内(ATP500)で優勝し、99回目のタイトル獲得を果たした。

 一方のナダルは、右膝の回復具合に楽観的考えを抱いている。彼は9月初め、フアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)に対するUSオープン準決勝で棄権した。彼はそれから、回復するためアジアでの連戦をスキップすることを決め、北京と上海への出場を見合わせた。

「ここに来ることができてうれしい。今僕は、コート上でよりよいフィーリングを覚えている。毎日少しずつ、練習量を増やしている」とナダルは言った。

「僕にとって、何も新しいことではない。これは僕のキャリアで数回、すでに起こっていることだ。だから多かれ少なかれ、(回復と復帰の)プロセスについてはわかっているよ」

 ナダルもまた1回戦をBYEで免除され、直に2回戦に挑む。彼はそこで、フェルナンド・ベルダスコ(スペイン)対ジェレミー・シャルディ(フランス)の勝者と対戦する。

 32歳のナダルは、3回戦で前年度覇者のジャック・ソック(アメリカ)と対戦する可能性があり、準々決勝では、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)、ドミニク・ティーム(オーストリア)と当たる可能性がある。

 故障からの復帰戦であることを考慮し、ナダルは自分の勝ち上がりの可能性についての発言で、用心深くなっていた。

「大きな改善や、大きなことは考えていない」と、ナダルは言った。「僕はただ、小さな改善を考えている。それがゴールだ」。

 日曜日に行われたバーゼルの決勝で、予選から勝ち上がったマリウス・コピル(ルーマニア)を倒し、同大会で9度目となるタイトルを獲得したフェデラーは、パリ出場をまだ確約してはいない。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はノバク・ジョコビッチ(セルビア)
PARIS, FRANCE - OCTOBER 28: Novak Djokovic of Serbia speaks during a press conference ahead of the Rolex Paris Masters on October 28, 2018 in Paris, France. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)

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