経験不足のアメリカと力を弱めたチェコが、週末のフェドカップ決勝で対決

 アメリカのキャシー・リナルディ監督は、フェドカップ・チームを任されて以来、勝利の方程式を手にしていた。そして彼女は、チェコに対する今年の決勝でも、何かを変える予定はない。

 彼女が監督を務めるようになった2017年以来、アメリカは、昨年のベラルーシでの決勝を含め、5対戦に連続で勝っている。

「昨年と今年、フェドカップ監督を務めている者として言うけれど、対戦に向かうときには、どんな相手であっても決して過小評価すべきではない」とリナルディは水曜日、週末チェコ・プラハのO2アリーナの室内ハードコートで行われる対戦に先立って、こう言った。

「フェドカップでの最良の記録と厚い歴史を誇る2チームが対戦する。だから非常にエキサイティングだわ。私たちはそこに至れたことを誇らしく思うと同時に、謙虚な気持ちでいる。私にとっては、監督して2度目の決勝に臨むというのは、信じられないほど素晴らしいことよ」

 決勝に至る過程で、アメリカはオランダを3勝1敗で、フランスを3勝2敗で破った。しかし決勝でのアメリカは、違うチームメンバーに頼らなければならない。

 WTAランキングでアメリカのトップ5の女子選手のうち4選手ーーセレナ&ビーナス・ウイリアムズ姉妹とスローン・スティーブンス、マディソン・キーズーーが決勝をスキップすることを決め、決勝に挑むチームメンバーのうち3選手が、まだフェドカップでプレーしたことがないのだ。

 フェドカップ優勝歴18回のアメリカ・チームで、ランキングがもっとも高いのは、36位のダニエル・コリンズだ。52位のソフィア・ケネン、63位のアリソン・リスクがそれに続き、ダブルス15位のニコール・メリカが最後のひとりとなる。

「スポーツの世界では、どの日曜日にも、どんなことも起こり得るのよ」とメリカは言った。彼女はチェコで2番目に大きな都市、ボルノで生まれたが、生まれてすぐにアメリカに移り、ずっとアメリカで育ってきた。

「私たちは素晴らしいチームよ。私たちはコートに出て行って戦い抜くわ」

 チェコは、ここ8年で6度目の決勝について、より心配すべき理由がある。世界8位のカロリーナ・プリスコバがふくらはぎと手首の故障で出場できなくなったあと、チェコの監督を務めるペトル・パラは、水曜日にペトラ・クビトバに関するさらなる凶報を発表したのだ。

「ペトラは今、熱を出している」とパラは明かした。

「医師と相談したあと、彼女は(今日)練習しないほうがいいと決断した」

 しかしながらパラは、「かといって、彼女が今週末にプレーできないと思わせるものは何もない」とも言い添えた。

 クビトバを失うことは、チェコにとって大きな痛手となるはずだ。彼女は、チェコの過去5回の優勝のすべてに貢献しており、もっとも多くのフェドカップ・トロフィーを獲った選手のリストで、4番目に位置している。

 クビトバは、2016年12月に自宅でナイフを持った強盗に襲われた際に受けたケガから回復したあと、今年になって代表チームに復帰した。彼女はスイスに3勝1敗で勝った1回戦、ドイツに4勝1敗で勝った準決勝と、プレーした4試合のすべてで勝っていた。

 シーズン前半にクビトバはWTAツアーの5大会で優勝したが、先月のWTAファイナルズでは、プレーしたグループ戦のすべてで敗れていた。

 チェコは、カテリーナ・シニアコバとバーボラ・クレイチコバという世界1位のダブルス・ペアを擁している。また33位のバーボラ・ストリコバもメンバーの一角だ。

 シニアコバは、シングルスとダブルスの双方でプレーすると見られている。

「とにかく今週の練習で準備を整えようと努めるわ」と彼女は言った。

 1993年の連邦解体以降、チェコはフェドカップで一度もアメリカを破ったことがない。彼らの最後の勝利は1985年、まだチェコスロバキアだった頃のことだった。チェコスロバキアの時代には、5度優勝を遂げている。(C)AP(テニスマガジン)

※写真はフェドカップ・トロフィー
RAGUE, CZECH REPUBLIC - NOVEMBER 15: Lucie Safarova of Czech Republic lifts up the trophy as she celebrates with her team-mates their win after the Fed Cup final match between Czech Republic and Russia at O2 Arena on November 15, 2015 in Prague, Czech Republic. (Photo by Matej Divizna/Getty Images)

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