デビスカップ開催者はフランスの選手たちからの批判をいなす

 来年から実施されるデビスカップの変革について、フランスのプレーヤーたちが再度表明した強い不満にも関わらず、刷新されたこの大会の開催者たちは、すべてはすぐによりよくなるだろうと確信している。

 新生デビスカップの背後にいる企業のCEO(最高経営責任者)、ハビエル・アロンソ氏は、フランスのデビスカップ代表チームの面々が、この伝統的な大会に施された変更について痛烈な非難を浴びせたあと、AP通信と話をした。ルカ・プイユ(フランス)は今後、この大会には出場しないとまで言っていた。

「フランスでネガティブな認識がある理由は、いくつかある」とアロンソ氏はコメントした。

「もしフランスがここ数年に決勝に進出していなかったら、彼らの認識も違ったものになっていたことだろう」

「フランスはまた、特別なケースだよ。なぜならフランステニス連盟は、グランドスラム大会やマスターズ(ATP1000)、そのほか多くの大会を運営しているため、かなり裕福だ。ほかの国のテニス協会は、必ずしもそうではない。いくつかの国は試合の開催地になりたいと思っていない。というのも、もしホスト国になったら金を失ってしまうからだ」

 今年のデビスカップ決勝のホスト国だったフランスは、クロアチアに1勝3敗で敗れた。これはフランスにとって、2年連続の決勝進出であり、ここ5年で3度目のことだった。

 新しいフォーマット(※下記参照)は、ひとつの会場で1週間に渡り、18ヵ国がグループ別ラウンドロビン(総当り戦)、その後、トーナメント形式で戦うというもので、最初の2年の会場は、スペイン・マドリッドのカハ・マヒカ・テニスセンターの室内ハードコートに決まっている。

 カハ・マヒカ(マジックス・ボックスの意)は、ATP1000マドリッド(こちらはクレーコート)の会場でもある施設だ。

 改定されたデビスカップは、国際テニス連盟(ITF)と、FCバルセロナに所属するスペイン代表のジェラール・ピケによって創設された投資グループ「Kosmos(コスモス)」の提携によって開発された。

 ITFは、今回のデビスカップの変更は、各国テニス協会のための収入を増加させることになると言っている。

 フランスのほかにも、新しいフォーマットに不平を述べている者はいる。

 世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)も、反対意見を持っている者の中のひとりだ。彼は、デビスカップは新しく生み出されたチーム大会「ATPカップ」とバッティングする、と言っている。

 ロジャー・フェデラー(スイス)は、新生デビスカップでプレーするつもりはないと言ったが、ラファエル・ナダル(スペイン)は、すでに出場を約束した。

 アロンソ氏は、トップ選手たちが新大会に出ることを約束しない可能性について、過剰に心配してはいないと言った。

「心配はしていない。でも我々は、これらの変更は必要だったものであり、マドリッドに来てプレーするのは選手たちにとってよいことになる、と証明するために努力を積んでいる」と彼は言った。

「まずは、どのチームが出場するのか知る必要がある。それから、出場するように説得するため、選手たちと話をするよ。今のところ多くの人々が話をしているが、彼らは出場権を得ないかもしれない」

 開催者たちは、新しいフォーマットはデビスカップのために割り当てられた日数を減らすことにより、彼らのスケジュールを軽減するはずだと主張した。今年までのデビスカップは、1年を通して4週末に戦われてきた。しかし新しい大会では、2月の予選ラウンドのあと、11月に決勝トーナメントが行われることになる。

「我々がやっているのは、選手たちの問題点を解決するということだ」とアロンソ氏は言った。「我々は、カレンダーから3、4週間を軽減することになる」。

 アロンソ氏はまた、新フォーマットに女子のフェドカップを含むプランも、プロジェクトの第二段階で考慮されることになるだろうと言い添えた。

 また彼によれば、男子の大会の第3回大会は、アメリカで行われる見通しであると言い添えた。(C)AP(テニスマガジン)

新しいフォーマットの2019年デビスカップ

 2019年2月、まず24ヵ国が2ヵ国間のホーム&アウェー方式で一斉に予選ラウンドを戦う。勝者の12ヵ国は11月のファイナルズに進出することができる。日本は中国と、アウェーで予選を戦うことになった。

 予選を勝ち上がった12ヵ国のほかには、前年度(2018年)のデビスカップ準決勝進出国、フランス、クロアチア、スペイン、アメリカの4ヵ国が加わり、さらに、ワイルドカード(主催者推薦枠)で2015年大会の優勝国イギリスと2016年大会の優勝国アルゼンチンの2ヵ国が出場権を得た。

 11月のファイナルズでは、合計18ヵ国が3チームごとに6つのグループに分かれ、ラウンドロビン(総当たり戦)を戦う。各国対戦はシングルス2試合+ダブルス1試合の3ポイント制。

 各グループ1位の6ヵ国と、2位の中で成績がよかった2ヵ国の合計8ヵ国が、今度はトーナメント方式の準々決勝へ駒を進め、準決勝、決勝と争い、優勝国を決める。

※写真は2018年デビスカップ決勝「クロアチア対フランス」、11月24日撮影
France team captain Yannick Noah lines up with his team before play during Day 2 of the Davis Cup Final between France and Croatia on November 24, 2018 in Lille, France. (Photo by Dave Winter/Icon Sport via Getty Images)

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