補欠出場からの快進撃、松田康希がインターハイ三冠の白石光にリベンジして優勝 [第39回全日本ジュニア選抜室内]

 今年最後の国内ジュニア全国大会「JOCジュニアオリンピックカップ 第39回 全日本ジュニア選抜室内テニス選手権大会」(12月13~16日/兵庫県三木市・ブルボンビーンズドーム/室内ハードコート)は最終日を迎え、順位別トーナメントの決勝と3位決定戦が行われた。

 その結果、決勝トーナメントを制して今年最後のジュニアタイトルをつかんだのは、〝代役出場〟の松田康希(湘南工大附高)。決勝では第1シードの白石光(SYSテニスクラブ)を7-5 6-3で破った。

 なお、3位決定戦では三井駿介(アクトSC)が池田朋弥(誉高)を7-6(2) 6-1で下した。

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 転がり込んだチャンスを自力で生かした。

 この大会の出場資格者は、原則としては今年のインターハイ、全国選抜、全日本ジュニア(U18、U16)の優勝者と準優勝者、および全国9地域のテニス協会が選出する選手となっている。

 しかし、インターハイ準優勝の丸山隼弥(相生学院高)が大会直前になって欠場したため、同大会ベスト4だった松田は2日前になって急きょ出場を打診された。「ジュニア最後の全国大会でいい結果を残すチャンス」と迷わず2日後には神戸入りしたという。

 その松田が、ラウンドロビンでは昨年優勝で第4シードの藤原智也(東山高)も破って全勝すると、決勝トーナメントの1回戦で世界スーパージュニアのダブルス・タイトルも持つ池田を退け、決勝ではインターハイ三冠王者の白石に挑んだ。

 そのインターハイの準決勝を含めて白石には6連敗していたという。今回はやり方を変えて挑んだ。普段よりネットプレーを多用し、サーブ&ボレーも果敢に試みた。

「1セット目から攻撃的なテニスができた」という松田は第1セット、何度もブレークポイントを握られながら耐え、自らが第12ゲームをブレークしてセットをさらった。

 第2セットは第2ゲームで早々にブレークに成功。しかし、苛立ちの声を上げたりしゃがみこんだりしながらも白石はなかなか崩れない。すぐにブレークバックを許したが、第6ゲームをふたたびブレーク。そのままリードを守り、最後はスマッシュで締めくくった。

試合後の松田康希(湘南工大附高/右)と白石光(SYSテニスクラブ/左)(撮影◎宮原和也)

「もともと出られないと思っていた大会だったので、あまり気負わずに試合を進めていくことができた。それがこういう結果につながったのかなと思います」

 一方、「相手が攻撃的だったし、自分は取りたいところでミスが多かった」と白石。優勝者の特典である来年の島津全日本室内(来年からJTA大会に変更)の本戦ワイルドカード(主催者推薦枠)が大きなモチベーションだった。それを叶えることはできなかったにもかかわらず、サバサバした様子で話し、来週埼玉で行われる〈J1-2〉の大会に向けてもう気持ちを切り替えていた。

(ライター◎山口奈緒美)

※トップ写真は松田康希(湘南工大附高)
撮影◎宮原和也

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